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1.はじめ仁 漏洩した液体燃料への引火による事故防止の観点か
ら、液体燃料への引火とそれに続く火炎伝ばの機構の解 明が望まれている。本研究は液体燃料表面上の火炎伝ば 過程で形成される火炎先端部の燃料蒸気濃度分布を明ら かにすることを目的に、ホログラフイ}干渉法を利用し た非定常波度分布測定法を提案し、アルコール燃料の測 定を行った。
2.干 渉 縞 次 数 と 濃 度 の 関 係 ホログラフイ}干渉縞次数と燃料蒸気濃度との関係は
以下のように表される(1)0 Gladstone-Dale式より
n-l=Kp
こ こ で K は Gladstone-Dale定 数 で あ り 、 空 気 と 燃 料 蒸
気の二成分系に対して
K=aKa+afKf (2)
ここで、 ajは質量分率である o 測定部に空気のみが存 在する場合と空気と燃料の混合気が存在する場合の屈折 率の差は、ガスを理想気体とみなせば
A寸可-詰Ka)pr (3)
bil lま 分 子 量 、 Prは 混 合 気 中 の 燃 料 蒸 気 密 度 で あ る o 一
方、ホログラフイの縞次数と屈折率の関係は
液体燃料表面上の非定常蒸気濃度分布の測定
*機正 小西忠司(大分高専) 燃・機正伊藤昭彦(大分大工) 那賀修二(大分高専)
snL=Ni^ (4) ここで、 Lは先路長、 Niは縞次数、 Aはレーザ}の波 長である。以上の関係式より、燃料蒸気の濃度と干渉結
数の関係は、 げが事zp
弘 (5) ここで、 P'rは 燃 料 蒸 気 単 体 の も 込 あ る 。 式 (5)よ
Cf川[[
L切pベ干l咋~刊K町炉巾伊f-詰陥吋) ζ岨
り、 L=80,120,160mmに対してメタノ--)レでは、縞 1本
10
当たり cf=3.421 2.281 1.71vol%となる。 3.実 験 装 置 お よ び 方 法
図 1に本実験装置について示す。なお、ホログラ フイ一党学系は既報 (2) ;を参照されたい。本装置は、非
定常波度分布測定を実現するために燃料容器上部にア jレ ミ板のシャツタ}を設けている。シャツタ}は、常時 3atgに設定した窒素により加圧された空気シリンダ}に
一←-5.65m
第 33回燃焼シンポジウム (195.1東京)
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(1)
図l 実験装置 より駆動され、約30msecで関心燃料容器は、アクリ jレ
製 で 幅 20mm、 深 さ 30mm、 長 さ 80、 120、 160mmの 3 種類である。ホログラフィーは実時間法で行い、ビデオ カ メ ラ (Canon L X-lT) で 撮 影 し 、 干 渉 縞 の 解 析 は 画 像
処理装置 (PhotronFDM98-RGB)により行った。 シャッター開時の燃料上部の空気の流れ調べるために
煙とペピ}パウダーを燃料容器周囲に浮遊させてレ} ザーシ}トで可視化した。図 2は、シャツタ}開時から の時間と鉛直方向の速度を示しており、この結果より、 シャッターによる測定場の影響は、 0.2sec以上では無 視できることがわかる D
燃料温度は、液表面下約 lmmの位置で、空気温度は容 器上方約 10cmの位置でそれぞれCA熱電対により測定し た。また、燃料と周囲空気の温度差によって生じる屈折 率の変化を除外するために燃料と空気温度は一致させる 必要があるが、図 3に示すようにシャツタ}開時に蒸発 熱により燃料温度の降下が生じるため、燃料温度は予め 温度降下分だけ空気温度よりも高く設定した。
なお、本実験ではア jレコール燃料としてメタノールを 使用した。
Clearance 2mm
FuelConlalner H30,W20,L80" , 160
ー-smokeat3.6m ー ← 3.68mm
6.03m
-0-
- 0 - 7.66mm → ・ 9.17m m →司 paはicleA . .• -paはicleB
個 ・particleC
事通主む
0.2 0.3 0.4 0.5
Time(sec]
図 2 シャッター開時の空気の動き





















































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