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A-20
液体燃料の引火点および燃え広がり挙動 に与えるスケール効果
小西 忠司(大分高専)、伊藤昭彦 :(大分大学)、板井康秀、小:野間I.J(・六分高専Y TheScaleEfectsonFlashPointandFlameSpreading
PhenomenonoverLiquids
TadashiKONISHI*，Akihiko1TO料， Yasuhide1TAIぺTsuyoshiONO*
*
キ*
1. は じ め に 液体燃料表面上を伝ばする火炎の研究は，火
炎伝ば機構に対する学問的興味のみならず防災 面における重要性からも注目されている.近年 では宇宙ステ「シヨンキャビン内での火災を想 定した微小重力環境下における伝ぽ挙動の研究 も行われている(l)最近，著者らは液体温度が 引火点以下で起こる振動伝ば現象に関して，そ の要因が表面張力流と浮力の相互作用による液 体表面の低温領域の形成と消滅にあることを実 験的に明らかにしており (2) 火炎伝ば機構の解 明は着々と進展している.
しかしながら液体燃料上の火炎伝ぱ挙動に'与 えるスケール効果に関しては実規模火災のみな らず実験室規模においてもその影響が十分解明 されていない.Mackinvenらは I n-decane燃料の 火炎伝ぱ速度に与える燃料容器幅の影響を 2‘5cmから 75cmまで広範囲に変化させて実験し ており，火炎高さ，火炎形状による影響などに 言 及 し て い る (3) .Tsujiら は 燃 料 容 器 幅 4 4阻
と 30阻 の 2 種 類 の 容 器 を 用 い て 燃 料 温 度 -20"C から 20'Cにおけるメタノールの伝ぱ速度を求め ている (4) しかし t 著者らが調査した範囲にお いて火炎伝ば挙動に与える燃料容器幅等のス ケール効果に関する研究は上記の 2点の他はな
く，十分な解明が殆どなされていない. 火炎伝ぱ挙動は，秋田らの研究 (51により液体
燃料温度に依存していることが分かつており， (A)疑一様伝ば， (B)振動伝ぱ， (C)一様伝ぱ(引 火点付近) ，(D)一様伝ば(引火点以上)の 4領
域に分類される.著者らは疑一様および、振動
伝ぱ領域では，液相内に形成される渦挙動が火 炎伝ぱ現象を支配することを提案:している {21m 一方，引火点付近と引火点以上の一様伝ぱ領域 では液体表面上に形成される蒸気濃度分布が主
として現象を支配していると考えられる. 従って前者では，容器幅や容器深さ等のス ケール効果が液相内に形成される渦構造に影響
を与えることが予想され，後者の一様伝ぱ領域 では，燃料容器幅が蒸気層形成に影響を与える
と考えられる. 本研究では，引火点付近の一様伝ぱ領域に着
目して，燃料容器幅が燃料蒸気層形成に与える 影響を実験的に調べた.さらに上記の結果より ASTMおよび JISの引火点試験方法によって求め た引火点の物理的な意味についても検討した.
また，これらの結果より燃料容器幅による火炎 伝ぱ速度の相違についても検討を行った.
2. 実験装置および、実験方法
図 1に本実験で用いた実験装置を示す.蒸気濃
度 測 定 は ホ ロ グ ラ フ イ 干 渉 法 を 用 い {71 燃 料 容 器は長さ 160m，深さ 20m，側壁板厚 O.5m，幅
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図 1
燃料容器および蒸気濃度測定装置
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