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    液体燃料の蒸発に伴う液面下の対流
LiquidConvectionunderneaththeFuelSurfaceduetoEvaporation O小西忠司(大分高専) 伊藤昭彦(大分大学)
TadashiKONISHI,OitaNationalColegeofTechnology,16Maki,Oita AkihikoITO,OitaUniversity,70Danoharu,Oita
連絡先 FAX:0975-52-6975 E-mai1:konishi@oita-ct.ac.jp
Liquidconvectionundemeaththefuelsurfacecausedbyevaporationisexperimentaly examined.百lesurfacetemperatureandthetemperatureprofilesinthesub-surfacelayerfor methanolweremeasuredbyusinganinfraredcamera(IR)andholographicinterferometry (HI).TherapidchangeofvaporconcentrationinthegasphasewasalsomeasuredbyHI.As theresuIts,1)theliquidconvectionistrigeredbybothbuoyancyandMarangoniforces duetotemperaturechangeafterabout0.2secondfromtheonsetofevaporation,2)vapor concentrationattheinterfacebetweengasandliquidrapidlydecreasesduetosurface tempera印 redrop,thengradualyincreasesbecauseofthesurfacetemperatureraisebythe liquidconvection.
1 . 一般に、液体燃料は、液体表面から蒸発した燃料蒸気と
空気が混合されて、液体表面上に可燃蒸気層を形成する。 この可燃蒸気層の形成が、火炎伝ば速度などの燃焼特性に 大きな影響を与えている(1)。特に、揮発性の高い燃料で は、液体表面からの蒸発によって熱が奪われるため、液相 内に温度分布が形成される。これに伴い、密度差に起因し たレーリ一対流や、液表面の温度差に起因したマラゴンニ 対流 (2) が発生して、蒸気濃度分布に影響を与える。本研 究では、ホログラフィー干渉法による気相の蒸気濃度分布 や液相内の温度分布 (3)、赤外線カメラによる液体表面温度
の測定(~)を行い、対流の発生機構と対流が蒸気濃度分布
に与える影響を検討した結果を報告する。
2. 実験装置および方法
Fig.l に 本 研 究 で 用 い た 実 験 装 置 を 示 す 。 燃 料 容 器 は 、
幅 20mm、深さ 25mm、長さ 120mmのパイレックス製であ る。燃料容器の上には、エアーシリンダによって駆動され るアルミニューム板を設置している。この板を高速で開 き、燃料表面から蒸発が開始する。その際の、液相内の温 度分布、表面温度および蒸気濃度の時間変化を測定する。 気相の燃料蒸気濃度分布および液相の温度分布は、ホログ
ラ フ ィ ー 干 渉 法 に よ り 測 定 し た 。 5 m W の He-Ne レ ー ザ ー を物体光と参照光に分離した後、物体光はテスト部を通過 させ、参照光との干渉よって形成された干渉縞をホログラ フィ乾板上に記録する。基準状態(空気中)で約 2秒露光 した後、現像、定着を行い、蒸発時の蒸気濃度を実時間法 で計測した。干渉縞は、ビデオカメうにてシャッタースピート 1/250秒 で撮影し、画像処理装置により濃度分布を計算する。液体 表面温度は、液体表面から放射された赤外線を、容器上部 に設置した金蒸着ミラーで反射させて、赤外線カメラ(検 波 波 長 8 " ' 1 2 μ m 、 精 度 O.l O C 、 時 間 分 解 能 3 0 m s e c ) で 測 定した。なお、液体燃料は、メタノール(純度 9.9%) を 使用し、初期燃料温度と周囲空気温度をできる限り一致さ せ τいる。
3. 実験結果および考察
Fig.2に 、 初 期 燃 料 温 度 300Cに 対 す る 赤 外 線 カ メ ラ に よ
る表面温度分布 (a)、初期燃料温度 150Cに対する液相内の 温度分布の干渉縞写真 (b)、初期燃料温度 300Cに対する気 相内の燃料蒸気濃度分布の干渉縞写真 (c)を示す。図の左 に記した時間は、蒸発開始からの経過時間を示す。
表面温度分布は、温度の高低をグレイスケール濃度で示 しており、明るくなるほど温度が高くなる。蒸発開始後、 0.2秒で約 1mmのセルが観察され、時間経過ともに大きく
なり 2秒後に約 4mmに成長する。図中の白い部分と黒い 部分の温度差は約 0.50Cであり、時間の経過とともに表面 温度の高い白い領域の面積が大きくなる。また、このセル は、定在せずに移動してる。
液相内温度分布の干渉縞写真 (b)において、干渉縞 1本 当たりの温度は約0.080Cであるo 蒸発直後は、熱伝導によ る温度変化が起こるため、直線状の干渉縞が観察される が、約1.0秒では波状の干渉縞が観察される。乙れは、温 度差による密度変化によって浮力が働くために、対流が起 ころうとしていることを示している。しかし、液体表面近 傍は、メニスカスが存在するため観察が難しく、正確な対
は じ め に
Goldmiror
Objectlight
Fig.1:Schematicdiagramsofexperimentalap訂 atus
第46回応用力学連合講演会平成 9年 1月 The46thNat.Cong.ofTheoretical&ApliedMechanics197
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