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MATLAjSimulinkのシミュレーションにより検証する.
2 C A M植物の光合成モデル 2.1 Blasiusらの単細胞モデル
Blasiusらの提案する CAM単細胞モデ、ル山を状態方 程式で記述すると次式となる.
I
E
Ob:05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3 0.15
図 1:T=0.238,0.24,0.246,0.250,0.254のと き の 非 線 形 関 数 y = g(z,T)
U3:外部からの二酸化炭素の取りこみ量 C巴針。)か ら光合成による二酸化炭素の消費量を引いたもの.
J :外部からの CO 取り込み量 c02 2
Cc02:L(t)に比例する光合成による CO2消費量 Rc02:呼吸による CO2生成量
また,液胞の膜配列を表す非線形関数 g(z,T)を図 1に示 す. Blasiusら山は,以下の無次元化したパラメータを 用いて,各々 5つの温度で,連続光のもとでのシミュレー
x=
I ~(-U1 +U2) ~(g(z,T)-y)
1(J
x=j(x,L,T)+91(ω)(Cext(t)-w)+92L(t)
,J= zII1
?討さ石7 。。
ただし,状態変数は,内部二酸化炭素濃度叫細胞質 内のリンゴ酸濃度 ι 液胞内のリンゴ酸濃度 y,液胞膜 内のリン脂質分子の並びを表す変数 zからなっている CAMモデ、ルは次式のように代謝を表す 3つのフロ- U1,U2,U3は次式で定義される.
y(t) 町 (t)=cx(t)一 一 一
x
Y I U1
1
91=I 。,g2= 。 。。
C = 1,L(t) = 1,T = 0.2 238, ext
ぬ (t) ω(t) x(t)
二一一-
一同十
z(t)
0.242,0.246,0.250,0.254,C =5.5, の =1,CR=1, ε=0.01,T =0.35,α 1.5,ω1=0.1,LK 0.5, R = 0. 1.
2.2 測定値を用いた内部状態の再構成 細胞単独の二酸化炭素取り込み量 Jc02を計測する必
要があることである.残念ながら ,CO アナライザと
インキュベータで測定できるのは,植物全体の二酸化炭
素取り込み量である .このため,細胞単独の内部二酸化 炭素濃度を算出することはできず,植物全体の平均化さ れた内部二酸化炭素濃度が推定できるにすぎない.この ため,精密な状態フィードパック制御は難しい.このた め,観測された植物全体の二酸化炭素取り込み量から細 胞単独の内部二酸化炭素濃度を分離する必要がある.脳 波や音源のブラインド信号源分離との違いは,脳波が多 チャンネルで,植物の場合は単チャンネルで、あることで ある.また,時間遅れがある場合には,各々の信号を独 立の確率信号と仮定するが,植物細胞の場合には,その 仮定が難しいと考えている.そこで,つぎの仮定を置く.
1.細胞の大きさが均一で、はないため,個々の二酸化 炭素取り込み量はスカラー倍異なる.
2. 細胞聞が均一同期していないため,植物全体の二酸 化炭素取り込み量は各細胞の時間遅れの和となる .
これらの仮定から,次式のように植物全体の二酸化炭素 取り込みとして定式化する.
J~;~(t) = 玄 αkJ~02(t-Lk) (2)
x(t)
U3(t)=Jc02(t)一 Cc02(t)+Rc02(t)
02(t) (Cext(t)一 切 (t)) 二 CJ exp(αω(t))
Cc02(t)=L(t)ω(t)
LJK W1 02(t)=CR"TI:¥
E
L(t)+LK ω(t)十 ω1
ただし,各物理量と定数はつぎのように与えられている. T:外気温度(無次元化),制御ノ守ラメ ータ L:光の強さ(無次元化),制御パラメータ
C 口 t .: 外 部 二 酸 化 炭 素 濃 度 ? 制 御 ノ T ラ メ ー タ ε:時定数(細胞質と液胞の体積比から求まる) T:時定数(熱平衡へ至る弛緩)
C,CJ,CR,LK,切 1,α:定数(無次元化) g(z,T):液胞膜の非線形特性を表す関数 町:液胞内外へのリンゴ酸の流入出の差
ぬ:ホスホエノールピルビル酸カルボキシラーゼ (PEPc)により二酸化炭素が凝固されて生成される リンゴ酸生成量と炭酸基除去による減少量との差.
X1)
ションを行っている
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