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       渦構造は三次元的である (9)。また、既報 (5).(防止り引火 点以下の液体燃料では可燃蒸気層が形成されず、火炎 先端部には十分な可燃蒸気が存在できない b このこ ・と は火炎先端直前の燃料蒸気濃度が希薄限界濃度以下に 低下するこ波長ホログラフィによる結果とも一致する (8)。また、気相では火炎の浮力 lとよる空気流と表面張 力流による液体表面近傍の空気流によって、火炎先端 近傍に三次元的な再循環渦が生じる(10)。この再循環渦 は気相中の燃料蒸気濃度分布に影響すると考えられる (8)。ステッフ。 [c]では、気相の再循環渦および液相の渦が さらに大きく発達し、ステッ 70 [b]にて形成された低温領 域は気相や液相からの熱伝達により引火点以上に加熱 される。既報より (5)(6)、液体表面から燃料が蒸発する と可燃蒸気層は非常に短時間(約 0.1秒)で形成される ことから、ステッ 70 [d]で は 、 火 炎 前 方 に 形 成 さ れ た 十 分 な可燃蒸気層により火炎は気相中を伝ばする oステッ 70 [e]では、火炎がジャンプした後停止し再び、ステッフ。 [a] に移行する。
4. 実 験 結 果
4.1 振動伝ば領域
図 3 か ら 図 6 は 、 図 2 の モ デ ル の ス テ ッ プ 。 [a] か ら [d] に対応した n-propanolの (a)液体表面赤外線画像と (b)燃料容器中心線陀沿った表面温度分布を示してい る。ここで図中のTfは燃料の初期温度、Vfは局所的な
火炎伝ぱ速度を示すρ 図 3のステップ。 [a]では表面張力流 によって火炎先端に高温領域が形成されていることが わかる。図 4のステップ [b]では火炎先端部に半月状の低 温領域(図中で黒色)が形成されており、この領域は図 4(b)に示すようにアロハ。ノー)vの引火点温度以下である。 図5のステップ。 [c]においてはこの低温領域は周りからの
熱伝達により加熱されたため消滅し、図 5(b)に示すよ うに表面温度は引火点以上に回復している。図 6は火 炎が気相中を急速に伝ばしているで状態を示してい
る。
4.2 疑一様伝ぱ領域 図7は疑一様伝ば領域における n-propanolの(a)
赤外線画像と(b)燃料容器中心線に沿った表面温度分 布を示している。火炎先端近傍には三角形状の引火点 以下の低温領域が常時形成されており、その大きさは 振動伝ぱ領域で観察されたものよりも大きい。液相の 渦は燃料温度の低下とともに大きくなるため、低温領 域 も 拡 大 す る と 考 え ら れ る 。 図 8 は、 H. D . R o s s ら に よ っ て行われた音速ロケットによる微小重力場における n-bu- tanolの赤外線画像である (2)。通常重力場で振動伝ば
が起きる燃料温度むおいて、微小重力場で、は振動伝ぽ が起きず通常重力場の疑一様伝ば領域のような火炎挙 動を示す。図 8に示ずように火炎先端近傍に低温領域 (図中黒色)が観察される。非常に興味あることは、通 常重力場の疑一様伝ば領域と微小重力場の表面温度分 布パターンが類似していることである。微小重力場で は浮力が作用しないため同温度の通常重力場よりも渦 が大きくなる。このため通常重力場の疑一様伝ば同様 に低温領域が拡大すると考えられる。従って今後、振
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