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  プラバートフワイトム村(ランプーン県リー郡)
ランプーン県リー郡タムボン・ナーサーイ、プラバートフワイトム村は仏暦 2514 年 ( 西暦 1971 年 ) に開村した集落である。ターク県、チェンマイ県、メーホンソー ン県から高僧バーウォン師に導かれてやって来た敬虔な仏教徒であるスゴーカレン族、ポーカレン族の人々がその地に定住したことから村となった。 バーウォン師は村のリーダーであっただけでなく、カレン族の人にとって生活における手本でもあった。集落を作った初期の頃は、伝統的な知識に則り、村人は家 を建てる際には、紐で資材を固定して家を建て、家屋を風から守るために斜めの竹の壁を作り、台所からの煙で白アリやその他の虫の侵入を防いでいた。彼らは自 らを素朴で穏やかな人という意味を持つ「パワーグーヨー」という名で呼び、厳格に仏教の教えを守り、他者を傷つけず、菜食主義を貫いて肉類を食べず、商売の ために家畜を飼わず、信仰の生贄のためにも動物を殺さない生活を送ってきた。 スゴーカレンの衣装はかれらの文化、信仰、民族性が反映されている。男性は上着とサロン、未婚の女性は丈の長い白い衣装、既婚の女性は上着とサロンに似たスカー トを着用する。彼らの衣装で特徴なのは、前後のデザインが同じである点である。これは他人に対して裏表のない誠実さを示すという意味がある。さらに白い衣装 は純潔を表している。
プラバートフワイトム村は以前、国立公園内にあったが、仏暦 2518 年~ 2533 年(西暦 1975 年~ 1990 年)頃にラーマ 9 世がカレン族に現在の居住地を下賜された。 そして、この地域において自足経済哲学を推進するために、ランプーン県リー郡タムボン・ナーサーイのプラバートフワイトム・ロイヤルプロジェクト開発センター の設置を命じた。そのセンターの活動としては森林の管理、貯水池の建設、果樹や田畑の複合農業の推奨、海外品種のマンゴー農園、ハーブ展示園、宿泊施設の建 設を奨めた。さらに、カレン族のアイデンティティを示す製鉄や機織り、銀細工技術を持った職人の活動の保護も行った。 プラバートフワイトム村のカレン族は銀を加工する技術を持っており、自らデザインしたネックレスやブレスレット、指輪、イヤリングなどを作っている。デザイ ンは花や虫、魚などの身近な自然のモチーフを取り入れた伝統的なものから現代のファッションが反映されたものまで様々である。それに加え、手織りの布を活用し、 カレン族特有の柄の入ったシン(タイ北部特有の腰巻スカート)、肩掛け鞄、テーブルクロス、手縫いのブラウスなど、村の生活様式や彼らのアイデンティティが反 映された製品を作っている。
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