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ドークブア村(パヤオ県ムアン郡)
ドークブア村はラーンナー族の集落の一つであり、未だに人々の会話の中で地方語であるラーンナー語(カムムアン)を使用している。また、親族同士のように協 力して暮らしており、水稲栽培、畑作、竹籠編み、鳥籠編み、ホテイアオイの編みもの、畜産や牧草栽培などの多くの農業活動をしている。また、芸術文化に関し ては一般的なラーンナー族と同じ習慣や信仰を持っている。 ドークブア村の村民たちは、編みものの卓越した技術を持っている。編みものには村で容易に手に入る竹やホテイアオイを用いている。村では竹籠を作るために、 竹をおよそ 11,200 km²にわたって栽培しており、いつでも籠を生産できるようにしている。村民たちは外に出稼ぎに行くよりも編みものの仕事の方を好む。村の中 で得られる天然資源のみを使った編みもの技術は、地域内で完結した完璧な産業といえるだろう。編みものは現在、村民たちに収益をもたらす重要な産業となって おり、パヤオ県内や県外の様々な場所で販売され、村民の持続的な収入源となっている。 ドークブア村のもう一つの注目すべき点は、ホームステイ事業と自足経済学習センターである。そこでは日常の生活の中で自足経済哲学を実践し、様々な自足経済 哲学に関するグループ活動を行っている。例えば農業グループでは、田作りの際に使う化学肥料や農薬の代わりとなる、牛糞から作った堆肥やバイオ肥料、バイオ ガスを生産している。その活動を通じて土地の質が向上し、より肥沃になり、持続的に田作りが出来るようになる。さらに、田作りの人材コスト削減のために結を 利用したシステムを推進した。その参加者たちは、自分たちでご飯を持ち寄って田作りに参加し、田んぼの所有者たちが労いにご飯を作ったり飲み物を用意したり する必要がないやり方にした。それによって、集落内の人々の中に調和が生まれた。
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