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PAVEL ART





                                                                     JEWELRY









                                                                ABOUT  DESIGNER ARTIST PAVEL
                                                               アートジュエリーアーティスト PAVEL














          旧ソビエト連邦、タシケント生まれ。                1人1人のために作品を手掛けてきた。                ランド店を次々とオープン。ニューヨークな
                                                                             ど、海外で開催されたショーにも出品し、
          1967年10月18日生まれの53歳。              2014年11月には博多リバレイン地下1階             高い評価を得てきた。今年で日本在住暦
                                           全フロアを貸切り、日本製美術品の素晴                29年目。故郷での生活年数を超える。
          1986年から3年間ソ連軍に所属。その後、 らしさを伝えるイベント
                                                                             しかし彼は「近年一流の職人さんに仕え
          当時23歳の青年PAVEL氏は、夢を抱き 「ファッションマスターズ2014」を企画、 る後継者が減り、日本の美術品に興味を
          92年に初来日した。                       開催。                               持たない人が増えた」と衰退の危機感を
                                                                             示す。
         まず足を踏み入れた場所は大阪。個性的                2017年5月、カンヌ映画祭»CINE  MOI»
         な人々や魅力的な街を味わい、翌年京都                のファッションショーに、PAVEL  アートジ 「私は一度大切な故郷を亡くした。だか
         に移住する。                            ュエリーがランウェイデビュー。                   らこそ、愛する日本の芸術文化を守り、再
                                                                             びその素晴らしさを世に発信しなくてはな
          PAVEL氏はこの京都の街で日本独特の              アートジュエリーとは、世界中から集めた               らない使命感がある」。
         「美」に興味を持つ。お寺や着物、日本                様々なパーツを絵具で絵を描くように組
          画。                               み合わせ、胸元をキャンパスに見立て、1               日本製美術品を作るアーティストとして自
                                           人1人の魅力を最大限に引き出す、所謂                身が生きた証を第二の故
          街全体から漂うのんびりとした雰囲気と、 アート。                                           郷、日本に残し、世界に」
          芸術品の中にある無限の奥深さに魅了さ                                                 素晴らしさを伝える覚悟
         れたという。                           「茶道や書道のようにひとつのことにこ                 だ。
                                           だわりを貫き、長い時間をかけ技術を追
          中でも彼は日本人の芸術家にある「道(ど              求し独自の文化を守り続ける心。世界で
         う)」の精神に惚れ込んだ。                     この魂があるのは、日本人だけ」。


          2010年から博多座客席2階で、アートジ             これらに感銘を受け、自身も日本からア
         ュエリー店「アストロファイタム  バイ  パヴ           ーティストとしての人生を歩みはじめ、そ                       @astrophytum_by_pavel
         ェル」を出店し、                          の後西日本を中心に自身が手掛けるブ                     Photo: MASANAO NODA




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