Page 20 - 2025定時総会資料 初校
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1-2)将来検討委員会 リスク評価(RA) WG
委員長:原 文堅
【報告事項】
1. リスク評価ワーキンググループ(RA WG)では、乳がんの早期発見と個別化検診の実現に向けた課題抽 出と今後の展望について集中的な検討を行い、以下を主要な課題とした。
1. 高濃度乳房評価: 日本人女性における評価の標準化の遅れと定量化の必要性。
2. ポリジェニックリスクスコア(PRS): 日本人データの不足と既存欧米モデル適用の困難性。 3. CanRisk ツール: 日本版構築におけるパラメータ調整の必要性。
4. マルチ遺伝子パネル検査: 限定的な保険適用とアクセスの課題。
5. データ共有基盤: 研究データ共有のための基盤未整備。
これらの課題に対し、以下のようなアクションプラン案が出され、今後検討中である。。
・ AI 技術の活用:国際基準との整合性を図った新たな評価基準策定、AI 開発に向けた画像データ収
集とアノテーション、画像解析 AI を用いた効率的な評価システムの構築。
・ PRS データ収集:日本人集団を対象とした PRS 研究の推進、既存コホート研究への遺伝情報追加、
PRS と環境因子、生活習慣との関連解析。
・ 日本版CanRisk開発:疫学データの収集と分析、多施設共同研究によるデータ集積、臨床現場での
実用性を考慮したインターフェース設計。
・ マルチ遺伝子パネル検査の普及:臨床的有用性を示すエビデンスの蓄積、臨床データに基づいた
保険適用に向けた働きかけ、遺伝カウンセラーの育成と配置、検査コストの削減に向けた技術開
発。
・ データ共有基盤の構築:乳がんリスク評価研究の加速化には、データ共有と連携が不可欠である。
各施設が保有するデータを相互に活用できるよう、データ形式の標準化、倫理的な配慮、情報セ
キュリティ対策を講じたデータ共有プラットフォームの構築する。
・ 予防戦略の開発:リスク評価の結果に基づき、高リスク群に対する個別化された予防戦略(生活
習慣改善、薬物療法など)を開発する。
【審議事項】
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