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C.課題と勝利:女性たちの歩み 女性や少女たちは、根深い性差別と不平等によるたくさんの課題に直面
しています。ある分野では進歩が見られるものの、文化的規範、伝統的慣 習、社会的期待が、依然として彼女たちの権利と可能性の実現を完全に妨 げています。性差別は教育と雇用、そして政治的代表権に影響を及ぼしま す。
教育の現場では、女子は男子よりも教育の機会が少なく識字率の低さや 経歴の見通しの狭さにつながっています。職場では法律で禁止されている にもかかわらず、女性は雇用、昇進、給与においてひどい差別の状況に置 かれています。女性が一家の主な稼ぎ手となるにつれ、社会的意識はそれ 相応の変化を見せないまま、家事と収入の両立という二重の負担を強いら れています。
特に農村部や北部地域では、12 歳や 13 歳の若い少女たちが結婚を強い られ、教育の機会が奪われ、健康的にも危険な状態にさらされています。 夫の暴力やレイプは、文化的な偏見や不十分な法的保護のために報告され ないことが多く、一部の州では包括的な家庭内暴力法(DV 法)が存在しな いことが、これらの問題をさらに深刻にしています。
ナイジェリアの寡婦は、特に困難な状況に直面し、夫の死後、残酷で屈 辱的な伝統的慣習にさらされます。例えば、夫の遺体を清めるために使わ れた水を飲んで自分たちの無実を「証明」する、といった行為です。財産 権は侵害されることも多く、本来なら寡婦とその子どもたちのものである はずの資産を、義理の親族が強制的に奪います。中には、亡き夫の男性親 族に「相続」される寡婦さえいます。
これは彼女たちの自立と人権を無視した慣習です。埋葬儀式の祭には、 寡婦は床で寝ることを強制されたり、頭を剃られたり、特定の喪服を着用 することを長期間強いられることもあります。
これらの関連する課題の対策としては、法改正、教育、経済的自立、社 会の意識改革など、多面的なアプローチが必要です。政府の取り組みと草 の根レベルの取組みの両方によってこれらのことは進歩し、ジェンダー平 等のための闘いでは、男性の積極的な協力が味方となります。包括的で継 続的な努力によってのみ、ナイジェリアはすべての国民によってより公平 な社会を築くことができます。
IV.四季を通じてのナイジェリア A.独立の春:国家の誕生
1960 年 10 月 1 日、ナイジェリアは英国の植民地支配から脱却し、独立 の春を迎えました。この時期は、新たに主権を獲得した国家にとって、希 望と楽観主義に満ちた時期でありました。1963 年に初代大統領に就任した ンナムディ・アジキウェのような重要人物が、この新しい時代へと国を導 きました。「ナイジェリアよ、われら汝をたたえん」という新鮮な国歌は、 生まれたばかりの国家に団結と誇りの精神を響かせました。
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