Page 174 - konishipaper
P. 174

        Cj ; 燃 料 蒸 気 濃 度
[vol%J
図 1に示すように,温度 Tjの液体燃料から空気温度九の 大 気 圧 下 へ 燃 料 が 蒸 発 ・ 拡 散 し , 燃 料 容 器 上 に 空 気 と 燃 料 蒸気の混合ガスを形成する.混合ガスの一端に設置した放 射率 e 温度九の等温壁から放射された赤外線は,厚さ L の混合ガス内を通過して,他端の赤外線検出部に入射する.
大 分 工 業 高 等 専 門 学 校 研 究 報 告 第 35号 (平成 1 1年 1月) 1
赤外線カメラによる定常二次元蒸気濃度分布の測定
小西忠司加藤勝敏 那賀修二
MeasurementofSteady-StateTwo-DimensionalConcentrationProfiles byUsingInfraredCamera
1.緒百
燃焼場おいて局所的な化学種濃度を定量的に把握するこ とは燃焼現象を解明するために非常に重要である.液体燃 料表面上を伝ばする火炎においても伝ばしている火炎の前
方にどのような燃料蒸気濃度分布が形成されているのかを 知ることは非常に興味深い. Itoら [lJ は,温度と濃度が 同時計測できるこ波長ホログラフイ干渉法を用いてアル コール燃料表面上を伝ばする火炎先端近傍の二次元非定常 蒸 気 濃 度 分 布 を 測 定 し て い る . こ の 手 法 は , He-Neレー ザーと Ar-ionレーザーの波長差が小さいために大きな計測 誤 差 を 生 じ や す く , ま た 光 学 系 を 設 置 す る た め の 煩 雑 さ な
どの欠点を有している. 化学種の非接触測定には,他に,ラマン散乱,レーリ一
散 乱 な ど の 分 光 学 的 手 法 を 用 い た も の , 化 学 種 に よ る 特 定 波長の光の発光・吸収を利用したものなどがある.特に後 者は色素レーザーによって化学種の内部自由度のエネル ギ ー レ ベ ル に 合 わ せ た 波 長 輝 度 の 大 き な 光 線 を 利 用 す る と , S/N比が向上でき比較的容易に測定が可能である. しか しながら光線の吸収は光路に沿って生じるため局所の値を 求めるにはCT手法を用いなければならないなどの欠点を 有している.
本研究では,後者の吸収法による濃度測定を検波波長 8-12μmの 赤 外 線 カ メ ラ を 用 い て 試 み た . 測 定 対 象 と し て 非燃焼時においてアルコール燃料表面上に形成される蒸気 濃度分布を選択した.吸収法によって測定した濃度分布は, Konishiら [2,3,4Jのホログラフイ干渉法による濃度分布
と比較して算出した.
TadashiKonishi KatsutoshiKato ShujiNaka
g(z) ;燃 料 容 器 縁 に よ る 減 衰 係 数 /U.J;燃料蒸気による赤外線の減衰が無視できる高さ ん;燃料蒸気および燃料容器を通過後の透過光強度 ふ;燃料蒸気を通過後の透過光強度
1;.; , 燃 料 容 器 を 通 過 後 の 透 過 光 強 度 ふ;入射光強度
k.i , 吸 収 係 数 れ;波長平均吸収係数
L;光路長 [mJ
M;分 子 量 [kg/moIJ
p;圧力 [PaJ
R ; 一 般 ガ ス 定 数 [ 凶 / k g m o l] ち;燃料温度 [OcJ
Ta ;空気温度 [OcJ
九 ; 壁 面 表 面 温 度 [OcJ T;燃料蒸気および燃料容器を通過後の壁面表面温度
[OcJ
T , ; 燃 料 容 器 を 通 過 後 の 壁 面 表 面 温 度 [OcJ X,行路長に沿った座標軸 [mJ
機械工学科
(平成10年 9月25日受理)
Z , 液 体 表 面 に 垂 直 な 座 標 軸 [mJ
e 灰色体放射率
ρj ' 燃 料 蒸 気 密 度 [kg/m3J
PPf; 燃料蒸気単体の大気圧における密度
添字 α;空 気
f;燃料蒸気 2. ~里 日間
[kg/m3J
吾A
ロぢ
コυ =ロ





























































   172   173   174   175   176