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 The Japan Society of Mechanical Engineers
図 3
(a)'"(d)顕微鏡によるバイオフィルムの 拡大写真(沖縄 02-01,40t).
(a),(b)生存しているレジオネラバイオフィルム,
図 6 バイオフィルム形成過程.(長崎株, 42.5t),(a)Ohr, (b)15hrs,(c)25hrs,(d)35hrs,(e)50hrs,(t)70hrs後.
4. 結 論
(1) BCYEα 液体培地では 35"'42.5"Cの温度範囲で気液界
面にバイオフィルムが形成された.液体培地表面では固形培 地ど同様に温度の影響を受け温度上昇とともに長梓菌が増殖 する‘しかし液体培地では固形培地とは異なり気液界面に 生成した 10同1程度の長梓菌は固体壁上で網目状の堅固なフ ィルムを形成して固体壁に固着する.
(2)液体培地にレジオネラを接種してから 25hrs後にバイ オフィルムが形成され 70hrs後に固体壁から脱落をした循 環式浴槽等の人工水環境でこのようにバイオフィルムが固体 壁から脱落するならばレジオネラは配管内の水流に乗ってシ ャワ一等のエアロゾ、ル発生源となる場所まで移動して人に感 染する可能性を与えると考えられる
謝辞
本研究の一部は平成 15年度文部科学省科学研究費補助金
(基盤研究 C,課題番号 15037) により実施できたことに 感謝を致します.また,本研究を立ち上げるまでご助言やお 励ましを頂いた松本健郎先生,谷下一夫先生,大場謙吉先生, 清水優史先生,古川明徳先生に心から感謝を致します.
参考文献
1) 斉藤厚ほか;本邦で初めての Legionaire' sdisease(レ ジオネラ症)の症例と検出菌の細菌学的性状,感染症学雑誌 5;124(1981)
2) 史君締,吉田真一;レジオネラ属最近によるバイオフィ ルム形成,第 5回日本細菌学会九州支部総会,抄録集 p.42(203).
図 4
(c)(d) ヒメネス染色後の顕微鏡写真(沖縄 02-001,40"C).
(a)350Cお よ び (b)40tの 固 形 培 地 で 培 養 し た レ ジ オ ネ ラのヒメネス染色後の顕微鏡写真(沖縄 02-001)•
微鏡での観察が必要である.本結果から以下のことが考察さ れる.液体培地表面では固形培地と同様に温度の影響を受け 温度上昇とともに長梓菌が増殖する.しかし,液体培地では 固形培地とは異なり気液界面に生成した長梓菌は固体壁上で 網目状の堅固なフィルムを形成して固体壁に固着する.
3.3 バイオフィルムの形成過程
図6に長崎株の 42.5tにおけるバイオフィルム形成過程
を 示 す . レ ジ オ ネ ラ 接 種 か ら 25hrs で 試 験 管 の 気 液 界 面 に lmm程度の帯状のレジオネラが観察される.35hrs後には帯 状のレジオネラ群は成長し,さらにその下部に網目状の菌が 増殖する. 70hrs後に試験管壁に付着したバイオフィルムは 脱落したバイオフィルムの形成時間は接種菌数に依存する と考えられるが,循環式浴槽等の人工水環境でこのようにバ イオフィルムが固体壁から脱落するならばレジオネラは配管 内の水流に乗ってシャワ一等のエアロゾル発生源となる場所 まで移動して人に感染する可能性を与えると考えられる
図 5
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