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The Japan Society of Mechanical Engineers
する.
320 固体壁上におけるレジオネラ属菌の不均質バイオフィノレムの形成
HeterogeneousGrowthofLegionelapneumophilaSedimentonaSolidSurface
正 O小西忠司(大分高専),山城哲(大分大),小出道夫(琉球大),西園晃(大分大) TadashiKONISHI,OitaNationalColegeofTechnology,1666MakiOita870・0152
TetsuYAl¥在ASHIRO(OitaUniv.ふMichioKOIDE(RyukyuUniv.),AkiraNISHIZONO(OitaUni双)
1 緒言
レジオネラ肺炎は 1976年に米国ペンシルパニア州で集団 発生し, Brenner らによって分離命名された Legionela pnumophJlaを含む 48種の属菌が分離・命名されている比較 的に新しい呼吸器系の病原細菌である.現在レジオネラによ
って起こるレジオネラ症は新興感染症に取り入れられている. わが国では 1981年に斉藤(1)により肺炎の第一例目が報告さ れて以来,各地で集団発生事例が報告されており,最近では 平成 14年 7月に宮崎県内の温泉入浴施設で 295人感染(疑 いも含む), 7人死亡した事例は記憶に新しい.レジオネラ症 の感染は,冷却塔や給水給湯施設,加湿器および浴槽等の人 工的水環境系でレジオネラが増殖し,菌を含むエアロゾ、ノレを 人が吸入することで発症する.レジオネラは、自然界の土壌
と淡水に生息するグラム陰性の梓菌であり、一般に 20'"'-'500C で繁殖し、 360C前後で最もよく繁殖する。また,レジオネラ はアメーパなどの原生動物の体内で増殖するため、これらの 生物が生息する生物膜(バイオフィルム)の内部にレジオネ ラが保護されている.また,最近の研究ではレジオネラ自ら バイオフィルムを形成しているとも報告されている(2).循環 式浴槽の配管内壁において,温水と外気の温度差による温度 勾配が存在する系で,レジオネラ属菌がどのようにバイオフ ィルムを形成するかは解明されていない.
本研究は,循環式浴槽等の人工水環境におけるレジオネラ 属菌のバイオフィルム形成機構を解明して,レジオネラの感 染防止対策を提言することを目的とする.本研究目的を達成 するために第一報としてとして一様温度の静止培養液におい てレジオネラ属菌が形成するバイオフィルム lの形成能と形態 が温度によってどのように影響を受けるかを明らかにする .
2. 実験装置および方法
3.実験結果および考察
3.1 バイオフィルムの形成過程
図 2に沖縄株の 420Cにおけるバイオフィルム形成過程を 示す.レジオネラ接種から 24h1'sで試験管の気液界面に 1mm 程度の帯状のレジオネラが観察される. 48h1'8 後には帯状の
レジオネラ群は成長し,さらにその下部に網目状の菌が増殖 する. 72hrs後に試験管壁に付着したバイオフィルムは脱落 した.バイオフィノレムの形成時間は接種菌数に依存すると考 えられるが,循環式浴槽等の人工水環境で、このようにバイオ フィルムが固体壁から脱落するならばレジオネラは配管内の 水流に乗ってシャワ一等のエアロゾル発生源となる場所まで
移動して人に感染する可能性を与えると考えられる.
図2バイオフィルム形成過程 臨床分離株沖縄420C, (a)培養直後, (b)24時間後, (c)48時間後.
3.2 バイオフィルム形成に与える温度および菌種の影響 微生物が増殖するためには菌体成分の合成およびエネルギ
ー獲得のための栄養素を外界から添加しなければならない. また増殖には水分,温度, pH,酸素などの増殖条件が適切で なければならない.本実験では増殖因子の温度のみに着目し て培養室内温度を 350C'"'-'450Cの範囲で変化させた場合のバ イオフィルムの形成能を調べた.図 3は培地にレジオネラを 接種してから 2日後の液体培地の表面に形成されたバイオフ ィルム写真を示す. 350Cでは頼粒状で膜の厚みは薄く試験管 壁から剥離しにくいバイオフィノレムが形成された.一方, 420C では膜の厚さは厚く試験管壁から容易に剥離するバイオフイ
Legionθ1a pnumophJla serogruoup1で標準株 ATCC33152および臨床分離株として 長崎株(長崎 80・045),沖縄株(沖縄 02・001)である.培地 は BCYEα (BuferedCharcoalYeastExtractα)の固形培地 および液体培地を使用した.実験は,図 1に示すようにレジ オネラを接種した液体培地を一定温度に維持した培養室内で 培養する.バイオフィノレムの形成過程はビデオカメラで観察
本 実 験 に 用 い た レ ジ オ ネ ラ は
1.CCDcamera
日 IRCuto宵 Filter
7.Halogenlightsource
図1 実験装置
日本機械学会 (No.05-6)第四回バイオエン ジニ ア リ ン グ 講 演 会 講 演 論 文 集
縄, (c)臨 床 分 離 株 長 崎 ('06.l.13,14新潟)
図 2 上段より
バイオフィルム形成に与える温度および菌種の影響, 350C,•420C,450C. (a)標準株, (b)臨床分離株沖
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