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                No.10・25 日 本 機 械 学 会 熱 工 学 コ ン フ ァ レ ン ス 2010講 演 論 文 集 Copyright¥D2010 社団法人
木質系バイオマスからの糖抽出方法に関する研究 A studyonthem e也 odofextractingsugarfromwoodybiomass
0学長島巧(神奈川工科大) 正鳴海明(神奈川工科大) 正飯田泰広(神奈川工科大) 正小西忠司(大分高専)
TakumiNagashimaandAkiraN訂 umiandYasuhiroIidaandTadashiKonishi KanagawaInstituteofTechnology,1030Shimoogino,Atsugi,Kanagawa243-0292
Thisstudyfocusedonthepre-procesofextractingsugarthatisveryesentialinbioethanolproduction systemtopromoteitseficiency.Todoit,thefiezingstepwasintroducedIntothefirstproces.Furthermore, theefectofthekindofwood,thesizeofwoodchipsontheexh'actingeficiencyofsugarwasalso investigated.Asaresult,thereisalitlediferenceinsugarconcen:trationsuetothekindofwood.Thebiger isthesizeofwoodchips,thehighel'issugarconcentrationwiththeshorttime.τ1eefectof:仕'ezingstep introducedwasnotsen.
KeyWord訟:Bioethanol,Wood,FrezingStep,Suga'lConcentration,SizeafterPulverization
日本機械学会
石油燃料の枯渇化とともに地球温暖化で代表され
環境問題が我々の生荷に大きく関わってきている.この うな背景の下,自 然循環型p いわゆるカーボンニュート ノレと言われる利点を持つバイオマスエネルギ」が注目さ ている.実際, トウモロコシやサトウキピなどの農作物 ら生成されているバイオエタノーノレは,ガソリンの代替 料として世界のいくつかの図で,すでに市場化され実用 に用いられている. しかし,それらの原料となる植物は
な食糧であることから,将来的には食糧と競合しない からのバイオエタノール生成が望まれている,
かでも,地球上に最も広く分布し,最も多く再生産され いる木質系バイオマスの活用が期待されている,そのた ,これに関する研究も多く報告されている 1)2)しかし, 質自体の構造の複雑性及び木の個体差による処理条件の
七から 3 前途のトウモロコシなどからのバイオエタノ に比べて木質系ノ〈イオマスからのエタノーノレ生成効率
,圧倒的に低く,未だ実用化に至っていない.
本研究は木質系バイオエタノ'--)レ生成の基礎研究として, 質系バイオエタノーノレ製造プロセスにおいて生成効率に きく影響する糖化過程までの前処理(凍結処理導入の効
木片サイズ3 木種)に着目し,各種前処理が与える影 主よび木の種類による個体差を調べたものである.
本研究は糖化過程までの前処理過程に着目しているため, オエタノーノレ生成の最終手)1頂である発酵は行わず,加 分解(本研究で、は熱水処理を適用)後に HPLCで単糖(キ ロースとグ、ノレコースの 2種類)を分析し,各処理条件が ような影響を及ぼすかを調べた.また,実験に用いた は広葉樹の桜と梢の 2種類である.Fig.Jに実験の手順
で,その後の粉砕及び加水分解処理時に糖抽出の効率が上
昇するのではないかという観点から導入した.なお,凍結 には液体窒素に 1時間浸す方法を用いた.また,凍結時に 水の体積膨張により木質細胞の脆性化を更に高めるのでは ないかという観点から木材に水分を含ませた後に凍結する ということも行った.染み込ませる水分量は,最大で木材 と同じ重量だけ染み込ませることができるという予備実験 結 果 か ら , 合 水 率 0 % " ' 1 0 0 % ま で 2 5 % 亥 JI み で 含 水 さ せ た 試 料を用意し実験を行った.
2.2 粉砕処理 一般的に木材の粒径が細かい(単位粒当たりの表面積が
小さし、)ほど,水との接触面積が増大し,熱水処理の効率 が上昇すると言われている.この確認のために, Table.lに 示すような, 3種類の異なるサイズを用意した.
Table.lSurfaceareaoftestsample
SUl'faceal'ea[μmL ]
ただし,ここで1高速ミノレで 150s粉砕処理したもの2高速 ミルにかける直前の木材(jxlx6mm) 3木材ブロック
(30x30x5mm) である. 2. 3 熱 水 処 理
加水分解には化学薬品である希硫酸によるものではなく, 溶液の使いやすさと環境負荷の観点から熱水処理を用いた.
なお,この処埋における初期圧力及び処理温度は} 3MPa と 260"Cである.また,予備実験の単糖の濃度推移から処
理時間は 40~350s で行った.
2.4 HPLCによる分析
HPLCによる分析は AsahipakNH2Pシリーズのカラムを用 いて分析を試みた.なお,このカラムは他にいくつかの糖 を分析することができるが,今回はキシロースとグノレコー スを取り上げる.
3. 実 験 結 果
木実験は再現性確認のため 3回実験を行い,結果はその
平均値を取ったものであり,ぱらつきは 7%以内である. 3.1 木種による単糖抽出の差
桜と桐を同様の処理条件(2の粉体を使用)で熱水処理
し た 結 果 得 ら れ た 単 糖 の 濃 度 推 移 を Fig.2 に 示 す .
示し,以下より各手1)慎の詳細を述べる. Pulverization
Hydrolysis AnalyzewithHPHC
この処理により水質細胞が脆性化すること
nHd ワ臼 円J





























































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