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Jトラこ刈 )t tlえ ガソリン蒸気の拡散に関する研究
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火災一正 *小西忠司佐藤佑介 間部靖丈加藤勝敏(大分高専)
TadashiKONISHI,YusulくeSATO,YasutomoMABEandKatsutoshiKATO *DepartmentofMechanicalEngin~ering, OitaNationalCo1IegeofTechnology,Oita,870-0152,Japan
燃料タンクの小孔から漏洩する
1.はじめに
著者らは平成 13年3月初日に大分県南部の
海上で起きた船外機付きボートの爆発事故を小 型簡易模型および合板製実物模型を製作して実 験的に検証を行った(1)その結果,爆発原因は,
1 燃料タンク底部の腐食部からの燃料漏れに
よる可燃蒸気の発生,2 可燃蒸気のバッテリ一 室への拡散,3 バッテリー端子部における接触 不良による火花発生と,それに続くバッテリー室 での着火および船体空間への火炎伝ぱが船体爆 発に至るメカニズムであることを解明した.
上述した爆発要因に関して,燃料タンク底部 の腐食部からの燃料漏洩に加えて,燃料タンク上 部にある直径約 2rilmの小孔および燃料タンク側 部にある腐食によって形成された直径約 2mmの 小孔からも燃料蒸気が漏洩していることがわか った.
これまでの研究では,上端を開放した円筒容 器の蒸発量は理論解析されている(2) が大きな燃 料容器に小さな穴が開いている場合の蒸発など に関する理論解析は見あたらない.そこで,本研 究では,上部に小孔をもっ燃料容器として蓋付円 筒ガラス容器を用い、小孔径や容器径の影響、ま たホログラフィ干渉法を用いて容器内の燃料蒸 気濃度を測定し、どのような現象が蒸発に影響を 与えているかを解析することを目的とした。その 結果,1上部開放容器の拡散方程式に替わって小 孔径や容器径の影響を考慮した理論式を提案し た,2小孔周りに存在する風の影響により蒸発量 が約1.5倍に増加すること,3燃料容器内の濃度
勾配から求めた蒸発量と実際の蒸発量が一致す ることなどの結果を得た.
2. 実験装置および実験方法
2. 1 燃料タンクからの燃料蒸気噴出の様子
Fig.l(a),(b)に そ れ ぞ れ 燃 料 タ ン ク 側 部 の 腐 食 孔とシュリーレン法による燃料蒸気の可視化写 真, f;ig.1(c),(d)にタンク上部の空気孔と可視化写 真を示す.タンク側部の腐食孔およびタンク上部 の空気孔の直径は約 2mmである.シュリーレン 写真ではタンク側部の腐食孔から燃料蒸気が噴 出している様子が観察できる.また, fig.l(d)に 示すようにタンク上部の空気孔は事故当時 4分 の l回転しており燃料蒸気はわずかに噴出して いる様子が観察できる.
回盟国
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画薗醤
Fig.lPhotographsoftankcorosionhole(a)and schiIerenpicturearoundcOITosionhole (b),airvent hole(c)andschlierenpicturearoundairhole(d).
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