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     勾配は液面から 30mm までほぼ一定であり -0.108vol%/mmである.この濃度勾配を用いて式 (1)から単位時間あたりの燃料蒸気の移動量を計 算すると 681.4mg/hとなり、実際に質量変化を測 定すると 700.8mg/hとなった。このことから a-b 間では燃料蒸気自体の移動が非常に少なく、濃度 勾配から単位時間あたりの燃料蒸気の移動量を 計算することによって近似的に蒸発量を求めら れることがわかった。
3. 4 蒸発量に与える風の影響 実際に燃料タンクが設置される場所などは周
囲の風の影響を受けることが予測される.そこで, 燃料容器上に風速約 lm/sの風を送った場合の蒸 発量の変化を測定した.Fig.l0は燃料深さを変化
させた場合の蒸発量を示し,風がない場合に比べ て蒸発量は約1.5倍の増加した.次に,ホログラ フィ干渉法で風の影響を受けた場合の干渉縞写 真を撮影した. Fig.1(d)や)に示すように干渉縞 が密になっていることから濃度勾配が増加して いることが観察できる.
4 結論 (1)上部に小孔を有する燃料容器からの蒸発量
は液面から小孔までの高さの逆数に比例する.ま た,蒸発量は以下の実験式に示すように(小孔径
2.、 8 /容器径)の同乗に比例することがわかった.
N~=1.63x10-5L DAB (引山J RT L ¥D)
(2)ホログラフイ干渉法によって燃料容器内お よび小孔周辺の濃度分布を可視化することがで きた.燃料容器内の濃度分布から求めた蒸発量と
質量変化から求めた蒸発量は一致した. (3)燃料容器小孔周りの風の影響について実験 した結果,風速約 1m/s程度の風によって蒸発量 が約1.5倍の増加することがわかった.これは風 の影響によって蓋周辺の境界条件が変わ.り,容器
内部の濃度勾配が増加したことに起因する. (4) 本 実 験 に お け る 小 孔 と 液 面 の 面 積 比 は
0.006であるが,実際の燃料タンクと空気孔,腐 食孔の面積比は 0.023 である. (液面,450x 300mm、孔径 2mm)本実験結果は,容器内で圧 力上昇が起きていない場合であり,今後は穴が液
面に対して極めて小さい場合に起きる内部圧力 上昇による蒸発量への影響を測定する予定であ
平 成 17年 度 日 本 火 災 学 会 研 究 発 表 会 概 要 集 (20 05. 5)
る. 宅0.14
E 3主0.12
ω
~ 0.10 Eo
~ 0.08 oc.
2m 0.00
ーグ~
0.05 0.10 0.15 0.20 0.25 0.30 Inverseofdis!anceL[mm]
Fig.10 Efectofwindoverthetrayonevaporatjon rate.
fig.lSeriesofinferferogrampic旬 resofn-Hexane vaporatfectedbywind.
参 考 文 献
(1)小西ら,平成 16年度日本火災学会講演論文 集, p.236・237,2004 (2)R.B.Bird,W.E.Stewart,E.N.Lightfot,Transport phemnem2nd,JohnWilyandSons,p.545,20P2. (3)C. M.Vest,HolographicInterferometry,John
Wiley& Sons,NewYork,1979.
η、υ にυ nL







































































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