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iD331| 液体燃料表面上を伝ばする火炎先端近傍の表面温度分布 燃機正 *小西忠司(大分高専) 燃機正 伊藤昭彦(大分大学 ・工)
1.緒言 液体燃料温度が引火点以下で観測される振動火炎
伝ばは液体燃料特有の現象であり、その機構の解明が 望まれている(九振動伝ぱの要因として、 H.D.Rossら は気相に形成される再循環渦による燃料蒸気の蓄積と 熱膨張による再循環渦の破壊を提案している (2)、一方 著者らは表面張力流によって火炎前方に輸送された高 温液体による燃料蒸気形成を提案している (3)(4)。これ までに静止液体上に形成される燃料蒸気特性 (5)(6)、火 炎先端近傍における気相および液相の速度分布 (7)、燃 料蒸気濃度分布 (8)などを主に実験的に検討してきたが 振動伝ばの第一義的な要因が液相にあるのか、気相に あるのか、さらに微小重力場で、振動伝ばが生じない理 由を明確にするには至らなかった。本報では火炎先端 近傍の表面温度分布を赤外線カメラを用いて計測し、 上述した実験結果と併せて検討し、新たな振動伝ば機 構を提案する。
2. 実験装置および実験方法
実験装置の概略図を図 1に示す。i 燃料容器は、長
さ 25cm、幅 2cm、深さ 2.5cmのハ。イレックス製(板厚 2mm)で ある。燃料温度測定用の熱電対は液面下 lmmに、空気 温度測定用の熱電対は容器上約 10cmに設置し:ている。 液体表面温度の測定は、 :赤外線検出波長 8-12μm、最小 検出温度 O.lOC、走査速度 1/60secの性能を有する赤 外線カメラを用い、図 lに示すよう区、液体表面から 射出された赤外線を燃料容器上部に設置された金蒸着 ミラーにより反射させて赤外線カメラに入射させる。
赤外線カメラは、別途実験により液体表面に設置した 線径 50μmの K型熱電対により検定し、 n-propanolお よび n-butanolの放射率を 0.95と決定した。赤外線カ メラdゐ測温範囲は、火炎近傍の液体表面温度を精度良
く検出するために、 n-propanolでは300C、n-butanol では 500Cまでとした。また、燃料容器全体を観察する ビデオカメラにより火炎伝ば速度を測定し、振動伝ば の各ステッ 70 を 断 定 し た 。
3. 振動伝ば機構
図 2は、Itoらによって提案されたモデル(3)(4)に
今回得られた新たな知見を加えた 5段階のステッ7。から 構成される振動伝ぱ機構を示している。ステッ 70 [aJでは 火炎はゆっくりと左側へ伝ばしており、気相では火炎
の浮力により誘起された空気流が火炎の進行方向と逆 方向に生じ、一方液相では火炎直下と火炎上流の液体 温度差により生じる表面張力流によって火炎先端下に 渦が生成される。ステッ 70 [b]では火炎伝ば速度はステッフ。 [aJ よ り も 増 加 し 、 液 相 の 渦 は 表 面 張 力 流 と 浮 力 に よ る駆動力によって更に発達して大きくなる。その結 果、火炎先端近傍に燃料の引火点以下の低温領域が出 現する。この低温領域は、表面張力流と浮力によって 形成された液相の渦運動によって燃料層下部の初期温 度の液体が汲み出されたため生じると考えられ、その
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第36回燃焼シンポジウム ('98.1札幌)
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