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ルムが形成された. 450Cではバイオフィルムは形成しない. 温度に関する影響は他の菌株でも同様な傾向で、あった.
3.3 気相側と液相側でのバイオフィルム形態の相違
図 3はバイオフィルムの拡大写真を示す.バイオフィノレム は気液界面の気体側上面は滑らかなのに対して,液側の下面
は約 1mmのセル状の形態を有している.
図3 気相側と液相側におけるバイオフィルム形態の 相違(臨床分離株沖縄, 420C).
図 4には電子顕微鏡の写真を示す.気相側および液相側に 増殖した菌の密度は高く,一方バイオフィルム内部も菌の密 度は低い.顕微鏡写真を二値化(闇値 60) して画像処理によ
り求めた空隙率はそれぞれ 7札 35%,10%であった.このよ うな構造はレジオネラ自らの増殖を助ける構造になっている と考えられる.即ち,図 5に示す概念図のように,レジオネ ラは液相側から金属ウイックのように毛細管現象により栄養 素の含まれた液体を吸い上げやすい構造を有し,また,空気
側からは蒸発を防ぎ外部からの他の菌の侵入を防止するよう に密になる.バイオフィノレム内部では菌が増殖しやすいよう に栄養素を蓄積しやすい構造となっていると考えられる.
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図4 電子顕微鏡によるバイオフィルムの拡大写真(臨床分 離 株 沖 縄 , 420C).
3.4 培養温度および培地による菌長の変化
図 6に臨床分離株 沖縄について培養温度に対する菌長 の変化を示す . 0は気体培地における結果,・は固形培地に おける結果を示す.固形培地では 38.50Cから菌の伸長が始ま
り, 4 1 0 C で 5 0 μ m に 達 し て 4 2 . 5 0 C で 最 大 菌 長 8 0 μ 皿 に な り , その後小さくなり 40Cで死滅する.一方,液体培地では, 350C から菌長が伸長し始め.42.50Cで100μmに達して, 40Cで死 滅する.しかし,例外的に, 38.SOCで150μmになる場合もあ った.また,培養温度が 350Cでは菌同士がつながり,菌のま わりに粘着物質が生成していることがわかった.
図5 一様温度におけるバイオフィルムの形態概念図 300
250
長室150 50
図 6
CuHival剛 lem問 ralureiCJ 培養温度および培地による菌長の変化(臨床分離株
沖縄)
。i • 30 35 40 45
4. 結 論
(1)液体培地にレジオネラを接種してから 24hrs後にバイ
オフィルムが形成され 72hrs後に固体壁から脱落をした.循 環式俗槽等の人工水環境でこのようにバイオフィルムが固体 壁から脱落するならばレジオネラは配管内の水流に乗ってシ ャワー等のエアロゾル発生源となる場所まで移動して人に感 染する可能性を与えると考えられる.
(2) BCYEα 液体培地では 35"'42.50Cの温度範囲で気液界 面にバイオフィルムが形成された.液体培地表面では固形培 地と同様に温度の影響を受け温度上昇とともに長梓菌が増殖 する.しかし,液体培地では固形培地とは異なり気液界面に 生成した 10μm程度の長梓菌は固体壁上で網目状の堅固なフ ィルムを形成して固体壁に固着する.
謝辞
本研究の一部は文部科学省科学研究費補助金(基盤研究 C;
課題番号 1750324)の助成を受けて行われた.ここに感謝の 意を表する.
参考文献
1) 斉藤厚ほか;本邦で初めての Legionaire' sdisease(レ ジオネラ症)の症例と検出菌の細菌学的性状,感染症学雑誌 5;124(1981).
2) 史君縛,吉田真一;レジオネラ属最近によるバイオフィ ルム形成,第 5回日本細菌学会九州支部総会,抄録集 p.42(203).
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