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  ノーングアク村(ランプーン県パーサーン郡)
ノーングアク村はヨーン人の集落である。彼らの祖先は現在の中国の領土にあたる雲南のシップソンパンナーを故郷としている。その後、現在のミャンマー領土に あるムアン・ヨーンに移住し、最終的に仏暦 2348 年~ 2356 年(西暦 1805 年~ 1813 年)頃、チェンマイの王であるカーウィラ王の時代にタイ北部に移動し、 現在のランプーン県パーサーン郡のター川のほとりの平原に定住した。その後、現在のノーングアック村の地域に彼らの一部が分住し、村が成立したのである。ヨー ン人は一般的に強い同胞意識を持っており、互いに助け合って生活している。それに加え、古くから守り続けてきた自らの民族性や固有の言語、綿織りものの技術 などの文化も大切にしている。 ノーングアク村の手織りの綿織りものの特徴は自然な素材を取り入れた製造方法をとっているところにある。製造は全て人の手で行われ、染付も主に天然染料を使っ て染められている。この様な製造方法がとられているおかげで、ノーングアク村は現在、北部最大の綿織りものの生産地になっている。この織物産業のおかげで村 人には皆仕事があり、自足経済哲学に基づいた経済的自立が達成されている。さらに、ノーングアク村はドーンルアン村とともにランプーン県の織物生産ネットワー クの拠点となっている。 村人は自らの織物技術と創造性を生かし、新しい織物のデザインを生み出している。緻密なパターンと色の組み合わせで生まれた柄には、グレット・タオ・ルーク オム模様、グレット・タオ・ムー模様、グレット・タオ・ヂウ模様、グレット・タオ・ター模様、ドーク・チャーン模様、ドーク・ノック模様、ドーク・ブア・ク ルア模様、ドーク・コーラーイ・タイ模様などの柄がある。さらに、手織り綿織りものを使った布製品も生産されていて、衣服、日用品、装飾品から葬式旗のよう な宗教儀式に使う用具まで実に様々な製品が生み出されている。
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