Page 59 - Tsubomi
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  「私たちにとってのフューチャークラフトとは、伝統的な工芸品とこれからの工芸 品との間に堅固な関係を構築し、そして、伝統文化をよく咀嚼してデザインに生 かすことです。」ザインに生かすことです。」
色々な見せ物や招魂儀礼(バーイシースークワン)といった地域の人たちの温かい歓迎をうけたときの感激や、 色彩豊かな衣装、寺院などに加えて、都市で一人暮らしをする若者世代の生活実態や感情の調査を行う中で、 多くの学生は誰も出迎えてくれる人のいない部屋に帰り着いた時、特に疲れて、人肌恋しく思う時には殊更に 寂しさや憂鬱を感じていることが分かった。そこで暖とヘジュンは、そのような時間に注目し、タイの人達の 温かい歓迎の文化や日常の色使いと混ぜ合わせ、若者世代の問題に対応した国際レベルの製品を生み出した。 それは信じられないほど美しさ、現代性、温かみを兼ね備えた作品となった。
色彩カレンダー(Color Calendar):タイの日時を様々な色彩で表す壁掛け時計である。タイでの温かい歓 迎や色使いを念頭に置き、時計自体はタイの建築や工芸品からの着想を得てデザインした。温かさ感じられる 蝋燭の灯のような形状をしており、時計の色と光が一日に一度変化し、カレンダーのように日付が変わるよう になっている。時計の機能としては時間毎に色が変化し、通常の時計と同じように長針と短針で時を刻むよう になっている。玄関や寝室に置くのに適しており、玄関では帰宅時に光が出迎えてくれる。真夜中には色が混 ざり合ってゆく様子を見ることができる。また寝室に置く場合には目覚めてカーテンを開ける前に今日が何曜 日であるかを壁に映る光の色が教えてくれる。 もう一つの製品は壁掛けランタンであり、北部タイ、ラーンナーの人達の古くからのシンボルであり、家を守護 する霊験のあると信じられているガーレーやハムヨンと呼ばれる家の装飾から着想を得た。暖とヘジュンは、よ り現代性を持ったランタンの形状とするために、先ほどのシンボルを解釈し直し、よりシンプルな形に変え、 さらにタイの温かみと高級工芸の高級さを表現するために金色と赤を用い、世界市場の品質を生み出した。
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