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 デ、ル化されていなかった.
最近佐竹らは, C3植物であるシロイヌナズナを例
に,炭素資源の継続的な利用にために植物がどのよう にでんぷん代謝を制御しているのかを実験し,その結 果からショ糖とデンプンの動的モデ、ルを提案している 13,14,15) 実験では,シロイヌナズナのデンプン量は, 明期には時間の経過とともにほぼ一定の傾きで増加し, 暗期にもほぼ一定の傾きで減少し, このデンプン量の 線形性は日長が変化しても維持される.さらに,昼が 短い環境下に置かれると,昼間により多くのデンプン を生産して十分な貯えを準備し,さらに夜の消費速度 を遅くすることで, 1日の終わりまで炭素資源を保持 することを行っていると大原らは述べている 15) さら に,提案した数理モデルでは,光合成が明期に一定速 度で進み,その産物がショ糖とデンプンに一定の割合 で分解される.ここで,ショ糖は呼吸に使われたり,光 合成ができない器官へ輸送される.また,デ、ンプンは ある速度でショ糖に分解され,夜には唯一の炭素資源 となる.ここで,ショ糖の呼吸と輸送の比率やデンプ ンのショ糖への分解速度は概日リズムを司る時計遺伝 子により制御されるとしている.さらに,デンプン代 謝の線形性がショ糖を一定量に保つ(ショ糖ホメオス タシスと呼んで、いる)ことにより達成されることを示 した.また,ショ糖応答ができない変異体を用いた実 験により理論の有効性を主張している 13,14,15)
最近我々は,佐竹らのショ糖ホメオスタシスモデル を Blasiusの CAMモデ、ルに組み込むことを試みた 16) Blasiusの CAMモデ、ルは代謝モデルにより,概日リズ ムが発生することを示しており,遺伝子ネットワークは
含まれていない.このため,佐竹らのショ糖ホメオスタ シスモデ、ルで、は,概日時計の位相情報に依害してデン プン分解速度が変化することで炭素資源動態が変わり, その影響がショ糖刺激という形で概日時計にフィード ノてックされるしくみとなっている このようなフィー
ドバック構造を CAM植物の代謝モデ、ルに組み込むこ とで,時計遺伝子を用いないショ糖ホメオスタシスモ デ、ルを提案した. しかしながら,このモデ、ルで、は,デ ンプン分解比率にショ糖定常値が含まれるため,この 値の設定値が小さすぎた場合には,ショ糖は 一定値で あっても,デンプンの蓄積量が増加し,一方,設定値が 大きすぎる場合には,デンプンの蓄積量が減少してし まうため,ショ糖定常値をデンプン蓄積量が定常振動 をするように事前設定する必要があった.このような ことは植物では考えられず,なんらかのフィード、パック 機構が不足しているためであると考えた.そこで,本 稿では,デンプン分解比率に含まれるショ糖定常値を ショ糖とデンプン量のフィードパック項に置き換える
モデ、ルを提案する.
2 CAM植物の光合成モデル 2.1 Blasiusらの単細胞モデル
Blasius ら の 提 案 す る C A M 単 細 胞 モ デ 、 ル 5) を 状 態 方 程式で記述すると次式となる. Blasiusのモデルでは, 転写制御機構,酵素活性化や葉緑体でのカルビン回路
が考慮、されていないことから,最近,新たな CAM光 合成モデルが 2つ提案されている.ただし,状態変数 は,内部二酸化炭素濃度叫細胞質内のリンゴ酸濃度 x,液胞内のリンゴ酸濃度 y,液胞膜内のリン脂質分子 の並びを表す変数 Z からなっている.
Fig.1:3つの反応体プールを状態変数とする CAMモ デルの流東図
第 1図は日周サイクルの聞の炭素の流れを生成する CAMの主な反応体プールを表している.プールの濃 度は,内部二酸化炭素濃度叫細胞質内のリンゴ酸濃 度 ι 液胞内のリンゴ酸濃度 y,液胞膜内のリン脂質分 子配列を表す変数 zからなっている. CAMモデルは 次式のように代謝を表す 3 つのフロ~ U1,U2,句 と 動 特性を表す 4つの非線形微分方程式で、モデ、ル化される.
ω (t)=-U2(t)十 U3(t) 。ε土(t)=-U1(t)+U2(t)
(t)=U1(t) TZ(t)=g(z,T)-y(t)
(t) U1(t)=cx(t)一 一 一
ω(t)
句 (t) = 一 一 - x (t)
z(t)
x(t)
U3(t)=Jco2(t)一 Cco2(t)+Rco2(t)
(Cext(t)一 切 (t)) Jco2(t) = CJ exp(αω (t))
Cco2(t)=L(t)ω(t)
iJ K W 1 Rco2(t)=CWr"(";¥
RL(t)+LK切 (t)+ω1 ただし,各物理量と定数はつぎのように与えられている.
切 ,x,払 z:状態変数 T:外気温度(無次元化),制御ノ Tラメータ L:光の強さ(無次元化),制御パラメータ Cext:外部二酸化炭素濃度?制御パラメータ ε:時定数(細胞質と液胞の体積比から求まる) T: 時定数(熱平衡へ至る弛緩) c,cJ,cR,LK,ω1,α:定数(無次元化) g(z,T):液胞膜の非線形特性を表す関数 U1:液胞内外へのリンゴ酸の流入出の差










































































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