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01:会計・ファイナンス分野
RESEARCH
国際社会の縮図と言える APU で
FIELDS 世界共通の経済活動の手段を学ぶ
川添 敬 先生
現在の研究分野は「 銀行 」「 中央銀行 」「 通貨制度 」など。通貨価値の
維持、銀行システムに対する信認の維持、金融恐慌への対応策のほ
か、近年は暗号通過や電子マネーを研究しています。
会計とは、既に生じた収支に基づき現状を把握すること。ファ
イナンスとは、将来の収支予測に基づき現状を整理すること
です。両者は経済活動を行うための「 車の両輪 」と言えます。
これらを学ぶことは個人のレベルでも、お金に関する判断を
意識的に行えるようになるとの点で大きなメリットがありま
す。また、ビジネスにおいても事業拡大などの戦略を策定す
る際の大切な指針となります。つまり、会計とファイナンス
は社会を変えていく推進力を提供する枠組みと言えるでしょ
う。特に、様々な文化が共存する現代ビジネスの舞台では、お
金という世界共通の手段の知識を備えることは非常に重要で
す。多様な文化的背景を持つ教職員と学生が集い、「 グローバ
ル社会のミニチュア 」と言える APU で会計とファイナンスを
学ぶことは、とても有意義だと考えています。
学 APM 国 部 営 際 経
03:マーケティング分野
新しい市場での経営戦略
研究から得る「 発見 」が世界を変える
Pajaree Ackaradejruangsri 先生
タイ出身。2014年に大学教員となり、現在では世界中から集まる学生に
向け講義を行っています。研究者としては消費者行動、市場・経営戦略な
どに興味を持ち、これまでに10以上の論文や教育事例を発表しています。
eコマースやテクノロジーが急速に進歩しているここ数年、モバイ
ルウォレットが多くの国で注目を集めています。そこで、アメリカ、
フィリピン、日本在住の共同研究者と私はモバイルウォレットユー
ザーに興味を持ち、顧客満足度、顧客ロイヤルティ、継続的なモバ
イルウォレットの導入に影響を与える様々な要因について調査を
始めました。研究モデルを展開し、アメリカ、フィリピン、タイ、日
本でのモバイルウォレットの使用や導入について知るため、相互比
較研究も実施しました。この研究結果は、モバイルウォレットを使
用する様々な国での消費者行動に対し、各要因がどのような影響を
与えるかを理解するため役立ちます。そして、企業が製品やサービ
スを改善することで、この成長市場でも顧客満足度などを保てるよ
う、消費者インサイトなどについても触れています。また、この研
究で得た発見の多くは、私のクラスでも議論し共有されています。
014 RITSUMEIKAN ASIA PACIFIC UNIVERSITY 2021