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     タンクローリ一等の燃料輸送車の横転事故や地震による 燃料貯蔵タンクの倒壊による液体燃料の漏洩およびそれに 続く火災を防止することは,人的および経済的損失を低減 するために重要である.また,現在建設されつつあるス ペースステーションなどの宇宙住環境下では,火災による 損失は計りしれない.液体燃料による火災は,液体燃料の 表面上に形成される燃料蒸気に引火して起こるため,燃料 蒸気の温度-濃度分布を把握することは火炎伝ぱ機構を解 明する上で重要である. NASA Lewis Research Cen terで、は 音 速 ロ ケ ッ ト を 用 い , 微 小 重 力 環 境 に お い て 液 体 燃料上に形成される燃料蒸気分布の測定を計画している.
二次元温度および濃度分布を同時に計測できる方法とし て二波長ホログラフイ干渉法があるが,高精度の光学機器 位置決めが必要な上,干渉縞の読み取り誤差を 1/1000以 内にする必要がある.従って,簡便で精度の高い二次元温
度・濃度分布の測定方法の開発が望まれている. そこで,本研究では赤外線吸収法 (IR法)および単波 長ホログラフィ干渉法 (HI法)を用いて液体燃料上に形 成される燃料蒸気の二次元温度・濃度分布を簡便に同時測
定できる方法を開発した.
機械工学科
(平成 13年 9月25日受理)
2. 実験装置及び実験方法
Fig.1は,本研究で使用した赤外線吸収及びホログラ フ イ 干 渉 同 時 実 験 装 置 を 示 す . 燃 料 容 器 は 幅 20mm, 深 さ 30mm,長さ 160mmと幅20mm,深さ 30mm,長さ 40mm の 2種類使用した.液体燃料の温度測定は線径75μmのC hromel-Alumel熱電対を用い液体表面から深さ約 2mm に設置した.また供試燃料として n-プロパノールを使用 した.
液体燃料の温度を 25~400C まで 5 oC間隔で変 化させ,容器表面上に形成される蒸気濃度・温度分布をI R法 及 びHI法により同時測定した. IR法では,つや消し 黒に着色した恒温銅ブロックから発生した赤外線の燃料蒸 気による吸収を赤外線カメラにより温度降下として記録し た.
大分工業高等専門学校紀要 第38号(平成14年 2月)
ホログラフィ干渉法および赤外線吸収法による二次元温度・濃度分布の同時測定
小西忠司 那賀修二加藤勝敏 橋本直樹 馬崎裕士
SimultaneousMeasurementofTwoDimensionalDistributionofTemperatureandConcentration byInfraredAbsorptionandHolographicInterferometry
Tadashi KONISHI, Syuji N A K A, Katsutoshi K AT O U N aoki H A S H I M O T O, Yuji M A S A K I
Abs仕act
Inthisresearch, amethodtobeabletomeasuretwo-dimensionaltemperatureandconcentration
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