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 1. 緒冒・目的 バイオフィルムとは細菌の共同体で,自ら作り出し
た細胞外多糖体に埋没し,不可逆的に基質や界面ある いはお互いに付着する特徴がある.その内にレジオネ ラ属菌などの人体に有害な微生物が生息し増殖すると, 人体に感染してしまう危険性がある.本研究では,レ ジオネラ感染防止に必要な温泉管理システムを開発す
るために, レジオネラ属菌の供給源である配管内表面 に付着するバイオフィルムをオンラインで監視するた めのバイオフィルム自動採取装置を開発する.
2. バイオフィルムの形成
水が流れている管内では流速がゼロとなっている 管内壁に微量の有機物が付着し,これを栄養源とする 浮遊微生物が管内壁に付着する(図 l左).付着した微 生物の中には3 粘着性ポリマーを排池するものが存在
し,微生物は永久に表面に吸着させる構造を形成する. その後 12日ほどで,発達したバイオフィルムから運動 性を有した微生物が流水中に放出され,全ての微生物 が分散した後,非運動性の細菌が残存する(図 l右)•
3ユ 実験内容および方法
3.2.1. プラントに使用する水の検討
バイオフィルムが形成するまでの時間を早めるため に水中の細菌数を増加させた液体は再現小型フ。ラント には使用可能であるか,また長期保存した検水は使用 可能であるかを検討する.検水を1浴槽から採取直後 の検水を 0辺 μmフィノレターで、ろ過濃縮した液,2検 水の栄養培地(CYE-a)液,3検水を-800C、で 4 日間保存
した液,44日間常温保存した液の 4種に類別し3 顕 微鏡を用いて液中に生息する細菌の種類・生死を観察 する.種類は微分干渉顕微鏡により観察する.生死は,
検 水 と LlVEIDEAD Baclight Bacterial Viability Kit (MolecularProves)10μtとをスライドグラスに取り, 暗室に 15分ほど保管した後,蛍光顕微鏡に蛍光フィノレ
タ(OMEGAXF25)を入れて観察すると,生存している 細菌は緑,死亡している細菌は赤に染色されるため, 色を見て判断する.
3ユ2. バイオフィルムを付着させる材質の検討
短期間でより多くのバイオフィノレムを付着させるこ とが出来る材質を選定する.微生物付着実験を行い,
その付着量を見て再現小型プラントに用いる材質を検 討する.直径 5rnmの球 8種(ポリカーボネート,ポ リスチレン,ポリ塩化ビニル,テフロン,ガラス,セ ラミック,ステンレス,スチール)と培地(CYE自 α)5mE, LegionellapnewnophilaATCC33152(1x109CFU/mE) を
100mEのフラスコ(図 4)に入れて振とう培養させる. 3日間培養した後,ボールを滅菌蒸留水で、3回洗浄, 5 分間煮沸,ボルテックス 1分間,超音波処理 1分間, 遠心分離 40C,20分間処理した後 ATPを測定し,その 結果から検討を行う.
3ユ3. 実験装置の検討 浴槽から採取した検水を温水循環器内で循環させた
場合,細菌量はどのように変化するのかを調べる.温 水 循 環 器 ( 適 用 温 度 [O OC'- -" "5 50C], ヒ ー タ 出 力 [5kw,3kw], 最大流量[20e/h])内で温度約 370Cで数日間循環させ, 3日間おきの細菌量の変化を ATP測定によって検査す
る.
Flagela
図 1 バイオフィルム形成
3. 再現小型プラント製作を目的とした実験 3.1. 実験目的
hydrolysis
装置開発のためには,配管内壁のバイオフィルム付 着 量 ι配管内の流速や採取装置の構造との関係性を 解明する必要がある.そこで,実際の温泉循環プラン
トの流量や水温,水中に生息する細菌の生存数などを
再現した小型プラントを製作し,それを用いて実験を 行う.再現小型プラント製作に当たり,今回は実験期 間の短縮を目的として,再現4型プラント内に流す液 体とバイオフィノレムを付着させる材質を検討する.ま た既存の温水循環器が本実験に対応可能かどうか, 温水を実際に循環させ検討する.
大分高専機械・環境システム工学専攻 特別研究抄録, AMC0701,209.1.30
流体力学制御法によるバイオフィルムの自動採取装置の開発 機械・環境システム工学専攻 AMC0707 佐藤博之(指導教員小西忠司)
国 9ー






































































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