Page 226 - konishipaper
P. 226
4. 結果およて賭察
表 1に顕微鏡観察の結果を示す.細菌の種類,生存
率ともに最も多かったのは1液(採取直後ろ過濃縮し た液)だった.2液(栄養培地液)においては,細菌 数は多かったが種類が減っており,そのため2液は実
験には適さないこと確認できた.また 4日間保存した 検水34はどちらも細菌の針重が死滅していたため, 検水の長期保存は実験には適さないことが確認できた. 5. バイオフィルム採取装置の構造の見当
図 2 に , 材 質 と Legionel lapnewnophila の 付 着 量 の 関 係を示す. PC>PS>Glas>TE>Stainles>Ceramic> PVC> Stel の順番に付着量が多く,また培養液体の ATPは,プラスチック,セラミック,ガラスがほぼ同 等なのに対してステンレスやスチールなどの金属は低 いことが分かつた.本結果より,バイオフィルム自動 採取に使用する材質は, PCまたは PSが最適であるこ
とが分かった.
図 3に温水循環器での日数ごとの細菌量変化を表し
たグラフを示す.検水中の細菌量変化は, 4 日目まで は常温放置したものは変化が見られず,循環器内のも のは増加傾向にあった. しかし, 7 日目には双方の値 が減少しており,循環器内では細菌の多くが死滅して いると考えられる.原因としては今回使用した温水循 環器が現在まで長期間使用していたものだ、ったため, 錆などの鉄分が多く水中に散布し,細菌の繁殖を妨げ たためと考えられる.そのためこの機器は再現小型プ ラントには適さないという結論となった.
表 1 顕微鏡観察結果
バ イ オ フ ィ ノ レ ム 自 動 採 取 装 置 の 開 発 の た め に は バ イ オフィノレム付着量と採取装置の構造との関係性を解明 する必要がある.そのために,以下のバイオフィルム 採取実験装置を用いて実験する. 1バイオフィルム易形成部の実現可能なブローチャネル
構造試験装置・・・ブローチャネルは,次の 5種類のキ ヤビティ, (i)せん断力キャビ、ティ, (ii)衝突キャビティ, (ii)よどみキャビティ, (iV)回転キャビティ(中心), (v) 回転キャピティ(偏心)を検討できる(図 4).
2検査チッフ。設置箇所の構造を変更で、きる装置・・・検 査チッフ。が設置された溝の幅および深さと,バイオ
フィルム付着量との関係を検討できる(図 5).
3∞xl03 250
2凹
150
t∞
50
。
-
~
路建
球菌 梓菌 Y型の菌
6. 結雷 バイオフィルム自動採取装置の開発の前段階として
の,実際の温水循環プラントを再現した小型フ。ラント の製作を目的として実験を行い,またバイオフィルム 自動採取装置の構造検討のための実験装置を説明した. 実験結果から,再現小型フ。ラントの製作のための条件
として,1『検水した直後にろ過濃縮した液』を導入 する,2バイオフィノレム自動採取装置には,ポリスチ
レン製もしくはポリカーボネート製の球を使用する, といったことが挙げられる.しかしレジオネラ検査の ためには専門的技術が必要であり,現場管理者が行う 検査方法としては実用的でないことが分かった.また 構造見当のための実験装置を挙げたが,まだ実験には 至っていない.そのため今後は,これらの装置を使用
した実験を行い,より細やかなデータを収集する.
1 O O ム
2 O •ム ×
3e×
4O企ム O...存在を確認、 ム...少量の存在を確認、 x...存在は未確認
白色...ほぽ生存、黒色...ほぽ死亡、白 と黒...生存も死亡も半々
図口四一一 CULo.H'CtlLp.(+)・P C ' T E ' P V C ・PS ICeramic・Glas$ 'Stainlass' Stel
図
回~回
図 2 ボール付着実験結果
出。白 ys -FBVsIoLPlnirslvtiK 052comnmlLm
n
e 13mdIan
。 m
回ロ
B id ualHKUMq1us
目 mch
大分高専機械 ・環境システム工学専攻
特別研究抄録, AMC0701,209.1.30
10 -
70
60
国 50 0 0
型40 伝
30 足20 10 0
。~
回数
図 3 温水循環器からのサンプノレの ATP測定結果
図 4 ブローチャネル 構造試験装置
図 5 検査チップ設置箇所の 構造を変更できる装置