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   コントロールし,顕微鏡上に取り付けた冷却ステージ上で植物細胞の冷却・凍結実験を行った 試料としては, 生きた状態で試料を作成しやすい植物を使用し,細胞列札織を得やすいユキノシタ,タマネキ¥キクイモを主に 使用した.
細胞へ与える電気刺激は 電気刺激装置とアイソレーターを組み合わせ 電流値・周波数をコントロールし, 微小電流測定器を介して細胞組織へ電流を与えた.電流は,周波数 1kHz,電流値 0.1'"'-'10μA,矩形波とし交流 で負荷した. pH計測には insituで連続測定が可能な蛍光 pH指示薬を用いることとし,容易に細胞内に入るこ
とができ,細胞内エステラーゼ、により加水分解された後細胞膜が透過できなくなり細胞内に蓄積される BCECF -AMを使用した BCECF-AMは,励起波長Aex2=500nm,波長530nmで蛍光し,励起波長Aexl=440nmにおいて等 吸収点(蛍光波長 530nm) の特性を持っている (5) 本研究では BCECFのこの特性を活かし 二波長の励起光を 用い,それらの蛍光強度比をとることにより,クエンチングの影響を避けるとともに再現性の良いデータを得る ようにした. Fig.lに BCECFの励起波長と蛍光強度の関係を示す.また,キクイモの組織に対して各波長で励起 した場合の蛍光画像を Fig.2に示す pHiを変化させて蛍光強度比 Iex2lIexlの測定し,これらの結果から検定曲 線を求め,これを用いて p日の評価を行った.
3. 実験結果および考察
3.1. 過冷却解除温度への影響 電流負荷が本実験でのシース熱電対の温度測定精度に影響を与える可能性がある.そのため,予め電流負荷の
影響のない光ファイパー温度計 IRカメラの温度測定結果と比較し電流負荷による温度計測への影響を検証し
0 た.その結果,差異は最大でも 0.5C以内となり,本
研究の温度計測の信頼性を確認した.電流負荷による
匂~ 14 。
圃 lOC/min
AlOOC/min
。10C/min
過冷度(=水の凝固点一過冷却解除温度)の増加を Fig.3 に示す.縦軸は,電流を負荷した場合の過冷度と負荷 しない場合の 5回以上の実験からの平均値との差(過 冷度の増加)を示す.電流負荷により負荷しない場合
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に比べ,少なくとも 30Cより低い温度で過冷却状態を 0ω 詩型 4
維持でき,負荷する電流値が高いほどこの傾向が顕著 になることがわかる.また,この結果をもとに,各冷 ;l0
却速度の下で負荷しない場合の平均過冷度で電流を負 ト
荷して組織を維持したところ,細胞内凍結を生じさせ ないまま, 1時間以上にわたって過冷却状態を維持で きたことを付言する.
01 Fig.3TheIncreaseofSupercolingDegre
3.2電流負荷による細胞の生死判別 3.1の結果より,電流を負荷し冷却した場合,より低い温度で過冷却状態を維持できることを確認した しか
し,過冷却状態をより低い温度で維持できたとしても,すべての細胞が生きているという保証はない.そこで, 蛍光試薬 FDAとPIを用いて,細胞の生死判別を試みた.低温ストレス実験は, 250Cから-50Cまで, lOC/minの 冷却速度で冷却し, -50Cで 30分維持し,その後 lOC/minの速度で 250Cまで戻すという条件で行われた.実験は 5 回行い,ここで示す生存率はその平均値である.なお,今回評価した試料は冷却前の生存率 100%のものを使用
した.
その結果,電流を負荷しない場合実験終了後の生存率は 48%で、あったのに対し, 10μA負荷した場合 92札 10
μAの場合 72弘と,電流を負荷しない場合に比べ高い生存率を示した
3.3冷却の進行に伴う pHiの推移 細胞内低温ストレス負荷による細胞内挙動への影響を調べるため行った細胞内 pH (以下 pHi)計測の結果を,
横軸を温度,縦軸を pHiにとり Fig.4に示す.ここでの冷却・加熱のサイクルは, 3.2の生死判別と同じ条件で 行った.なお,ここでの値は 4回以上行った結果の平均値であり,測定による pHiの差異は最大で土 0.20以内で あった.
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