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       ~、
を混合して pH5.5から 8.5までに調製した pH標準液 に, Nigericinを lμM濃度になるように加えた.こ の溶液の中に蛍光試薬を用いて染色した試料を入れ, 室温 (約22oC)にキクイモの塊茎組織は15min, タマネギ鱗茎葉の表皮組織は 10min静置させて pHi を調製した.その後, pHiを調製した試料の蛍光画 像を撮影し 3 得られた蛍光強度比と pHを関連付け て pH検定曲線を作成した.
蛍光強度比の算出は,解析ソフトに Image]1) (h句 :Ilima問.曲.gov/ij乃を用い,励起波長 500nmと 440 n m の 蛍 光 画 像 を グ レ ー ス ケ ー ノ レ 値 に 変 換 し て
レシオ画像を作成し3 励起波長 500nmの蛍光画像か ら細胞核周辺の強く蛍光している範囲を測定対象と して選定,選定した測定対象範囲をレシオ画像に重 ねて,その範囲内の蛍光強度比の平均値を pHiの強 度比とした.これを各 pHi値に対して 3回以上の検 定のための実験を行い 3 検定式を決定した.ここで の 1回の pHi値は,蛍光画像、における組織の中から 少なくとも 4つ以上の細胞を選び3 かつ lつの細胞
内の領域についても 3つ以上選び,算出している. すなわち, 1回の pl五の測定値は 12か所以上の領域 についての平均値となっている.その結果3 植物種 や蛍光試薬の種類に関係なく,蛍光強度比 (Ratio)
とpHiとの聞に直線関係が得られた.さらに, pH標 準液のみの結果との比較も行ったところ 3 ほぼ同じ 結果を得られた.最終的に得られた pH検量線を用 いて, pHiの推定を行った.
4. 実 験 方 法
冷却速度を lOC/minから 1000C/m血まで変化させ, キクイモの塊茎組織を室温(約 2oC) から細胞内 凍結が起こるまで冷却し,その間 4oC間隔で pHi を計測した.次に3 微小電流を負荷しながら冷却速 度 1oC畑泊でキクイモ塊茎組織とタマネギ鱗茎の表 皮組織を冷却し,同じく 40C間隔で pHiを計測した.
60sec
Fig.1.Loadpatemofelec包・iccurent.
冷却時の電流負荷は電流刺激装置 (SEN-3401,日 本光電)を用いた.本研究で行った範囲内で効果が
あった電流負荷は,電流値がアイソレータ (S田 203J, 日本光電)の値で1μAと10~lAに変化させた場合
(電圧値は 10Vで一定),また波形パターンについ ては, 0.5msec聞に 0.1msec通電させる波形を 60sec 繰り返し, 60sec毎に極性を反転させたケース (Pig. 1)で効果が見られた.試料への電流負荷は,低温顕 微鏡システム内の ColingStageに置くカバーガラス にアルミ、ン)ルを貼り,これを介して行った.この シール上に電線を固定し,試料をアノレミシールと接 触するように蒸留水と共にカバーガラスの上に設置
し カバーガラスの周辺にシリコングリ)スを塗布
しその上にもう 1枚のカバーガラスを覆い,実験を 行った (Fig.2).
Fig.2.Methodofloadingelectriccun・enttoplanttisue. 結果および考察
電流を負荷しない場合における,冷却の進行に伴 う p H i の 推 移
キクイモの塊茎組織について3 冷却速度を変化さ せて3 電流負荷しない場合の pHi推移の結果を Fig.3 に示す.ここで,各温度の縦棒は左側から冷却速度 が 10oC/min,10oC/min,1oC/minにおける 4回の 独立した実験から求めた pHiの平均値および標準誤 差を示している.参考として, Murai and Yoshida
(198)の冷却速度 0.250CI皿inの実験結果 6)もプロ ットしている. Murai らの研究で、は冷却速度が小さ いこと,キクイモ塊茎が本試験地よりも寒冷な地域
で収穫されていることなど,本研究との実験条件は 異なるものの,定性的には本研究結果とよく一致し ている. Fig.3をみると,冷却速度によらず冷却開 始前には約 8.0あった pHiは3 冷却速度が 1oC/min の 場 合 , 冷 却 の 進 行 と と も に 低 下 し -4 0 C で 7.0, そ
3
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