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世界は今、格差がどんどん広がっていると感じる中、大量消費に向けてObeliskがデ
                                               ザイン出来る事は何も無い。自分達独自のアーティスティックな表現を感じてもらえる

                                               ZONEが世界のどこにあるのかを見つけるのは難しい。

                                               しかし、それを諦めてしまえば仕事を続けていく価値などあるのか?作り続け継続して
                                               いくうちに誰かと、何かと、出会えれば道は開けてくるかもしれない。

                                               過去の成功体験はおそらく殆ど役に立たないだろう。こんな世の中に反旗を翻す覚
                                               醒した仲間が何処かにいるなら、是非出会いたい。そんな事を期待しながら出会いを

                                               求めて、芸術性を宿した服造りをこれから継続するだけだ。


                                              
                                                            Yuri に初めてお会いした時の第一印象


                                               Yuriは尖がった存在だ。平準化へ向けて加速化して行くと感じる閉塞した社会の中
                                               ではシンクロニシティ。彼との出会いはONLY1デザインを標榜する自分にとって「引
                                               き寄せの運命」を感じた。

            


             1994年ハーレーに乗り始める。全て此             身頃、肩、袖が、一枚に繋がった独自の
             処から始まった。Harleyに革ジャンが必           構造、パターンを考案。シンプルでミニ
             須なので既製のを買うが着心地とカタ               マルな構造はモードでも通用する洗練
             チの悪さに失望し自分でデザインする               を手に入れた。
             事を決意。
                                             両方のブランドに共通するのはシルエ
             美術大学を卒業後Bagをデザインする              ットが美しく機能的な事。
             会社に勤務、レザーの知識は豊富だっ
             たが洋服を作ったことはなく、総て独学              MODEとしても優れていながら、バイク
             からスタート。レザーウェアの職人を紹              ライディング時も動きやすく疲れないこと。
             介してもらい、オリジナルのデザインを創
             り始める。1999年春からセレクトショップ           ROCKミュージシャンのライフスタイル
             の店頭を飾り「Obelisk」がスタート。           や、洗練されたモードがあること。

             当時のセレクトショップではRockテイス            2013年に東京の本社アトリエの半分
             トのFASHIONがメインで自分が昔か             を直営店舗に改装。東京下町は革、生
             らROCK好きでバンドをやっていたこと             地、金具の問屋がひしめく日本のモノ
             もあって、ROCKのライフスタイルは熟             造りの中心で此処から発信して行くぞ!
             知していた。                          という気合で運営している。オーダーメ
                                             イド、カスタムメイドをこの年から開始。
             そんな時流に乗ってObeliskは急成
             長した。その後多くのロックスターが 「客のサイズで素敵に着こなして戴く
             Obeliskや後のZeitganzのレザーを着        サービス」を最大の売りにしている。
             ることになった。                                                            
                                             着ると10%痩せて見える視覚マジック、                   ブランド名 Obelisk Zeitganz
             2 0 1 0 年 には 洋 服そのもの の 構 造      堅い重い動き辛いレザーの常識を完                      デザイナー 金子靖憲
             をオリジナルにしようと、新ブランド               全に超越。
            「Zeitganz」を立ち上げる。                                                      WEBSHOP www.obelisk1999.com/
                                             男性は勿論シルエットが難しい女性に                     facebook.com/yasunori.kaneko1/
                                             も大満足を与えている。                           instagram.com/yasunori.kaneko/
                                                                                   instagram.com/thefaceoffxx/


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