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Top Interview                                                                                                                                                                                                                 プ ッ ト ビ ュ ー イ ン タ
                          100年に向けて、さら に強く、
             次の                                                                                                                     REBURN to BE STRONG



             未来へ向けて再燃焼する









             1919(大正8)年の創業から100年を経て、2019(令和元)年8月、                                                                                                                                       が、携わった仕事が建物という形になって残るこ
                                                                                                                                         大企業でないからこその                                    となどに仕事の面白さを感じるようになりました。                           TOP INTERVIEW
             当社は新しい一歩を踏み出した。
                                                                                                                                         自由な雰囲気を大切に
                                                                                                                                                                                          そうやっていろいろと学びながら、社長になる
             日本の高度経済成長期を支え、“ 生活文化づくりのシステム・コンダクター ” として
                                                                                                                                                                                        6 ~ 7 年前から少しずつ実務経験をさせていただ
             暮らしに根差したビジネスを拡げてきた当社が、次の100年に向けて目指す未来はどこか。
                                                                                                                                       ―片山鉄建はこのたび100周年を迎えました。                           きました。もっとも実際に社長になってみると分か
             偉大な創業者たちからバトンを受けた片山隆之代表取締役社長に、話を伺った。                                                                                        企業30年説などが一般に囁かれる中で100                          らないことだらけでしたが。

                                                                                                                                         年目を迎えるというのは、なかなか達成できな
                                                                                                                                         いことだと思います。                                     ―意識して、変えてこられたことなどは、ありまし
                                                                                                                                         当社にとって、非常に大きな節目に立ち会えると                           たか?
                                                                                                                                       いうのは本当に素晴らしいことです。ただ、これは                            社長に就任する少し前から、それまでの営業所

                                                                                                                                       通過点に過ぎず、リレー競走のように、それぞれの                          の在り方などを多少変えていきました。
                                                                                                                                       時代を担う者が次のランナーにしっかりとバトン                             昭和時代の営業所長は、いわば地方大名のよ

                                                                                                                                       を渡していく責任があります。すべての社員には、                          うなものでした。これは、お互いにライバル意識を
                                                                                                                                       先輩に学んだことをしっかりと受け継いでバトンリ                          もって競い合い、切磋琢磨していくのが良いとい
                                                                                                                                       レーしていく覚悟をもっていただきたいと思います。                         う第2 代・栄三社長の考えによるもので、会社か

                                                                                                                                                                                        らはその地域の全権を任せていましたから、例え

                                                                                                                                       ―2002(平成14)年2月に就任された時はまだ                         るなら分社化しているのに似た感覚です。
                                                                                                                                         39歳で、当時の業界では異例の若さでした。                            賞与も営業所の業績に従って係数を決めて分
                                                                                                                                         当社に入社したのは1993 (平成5) 年で、まず                      配していましたので、部下のために賞与をどれだ
                                                                                                                                       中国営業所に配属されて岡山で6 年間、大阪で1                          け分捕ってくるかが一国一城の主たる所長の腕

                                                                                                                                       年間、東京で2 年間勤務したところで社長に就任                          の見せどころでした。
                                                                                                                                       しました。                                              ただ地域ごとにビジネスが完結する時代はそれ
               Profile : Takashi Katayama
                                                                                                                                         それまでは総合商社で為替や精密化学関連                            で良かったのですが、近年は IT などの情報網や
                代表取締役社長                                                                                                               (農薬) などを担当していて、エンドユーザーとはそ                         交通網が発達し、メーカーやお客様の担当者も
                片 山  隆 之                                                                                                               れほど近い関係の仕事ではありませんでした。                            よく転勤されるようになり、もっと広域的にビジネ

                1963 (昭和38)年東京都生まれ。 1987                                                                                                 ですから、大阪弁のマシンガントークのような                          スを見ていく必要が生じてきました。そこで、それ
               (昭和62)年中央大学法学部卒業、三井
                物産株式会社入社。 1993 (平成5)年に片                                                                                                営業の仕方に驚いたり、金物屋のおやじさんから                           まではあまり行われてこなかった営業所間での配
                山鉄建入社。中国営業所で6 年、大阪本                                                                                                    電話がいきなりかかってきて口頭で注文があった                           置転換を進め、人材の流動性を高めていくことに
                社に1 年、常務取締役として東京営業所に
                2 年勤務後、 2002 (平成14)年代表取締                                                                                               りと、最初は面食らうことも多かったですね。です                          したのです。
                役社長就任。





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