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01:環境・開発分野
RESEARCH
二次災害のない国際協力を
FIELDS 実現させるためにできることとは?
Oscar A. GÓMEZ 先生
コロンビア出身。博士号取得後、国際協力機構研究所の研究員として従事
し、また様々な国連機関のコンサルタントも務めた。災害やパンデミック
などによる人道的危機や国際協力に重点を置き研究を進めています。
人々の生活に影響を及ぼす重大危機が発生すると、世界では国際的な
支援が期待されます。災害、パンデミック、武力紛争、強制移住など
の緊急事態は、マスメディアを通じ広く共有され、政府や国際機関は
迅速に状況を改善させるべく対応します。しかし、外部からの支援が
二次災害を引き起こすという新たな問題が生まれるのも事実です。内
容を十分に理解せず支援することで、被災地の災害対応者に負担をか
け、事態を混乱させることがあるのです。私はこれらの問題を調査す
ることで、危険な状況下での人間の安全保障や、国際的な支援活動の
強みと弱みを理解し、世界の団結力を最大限に活かす方法を提案した
いと考えます。また、この研究分野は緊急事態に対する国民の意識を
向上させ、危機管理の国際慣行に変革をもたらすでしょう。APUでは、
学生と教職員の多様性が、このような国際社会結束の複雑さを学ぶ機
会や、世界の問題解決に向けて取り組む機会を与えてくれます。
太 APS ア 平 ジ ア 部 学 洋
03:国際関係分野
より良い国際社会の実現方法を、
多様性の力を活かして自由に学ぶ
淵ノ上 英樹 先生
専門分野は「 紛争後平和構築 」など。明確に白黒が付けられない学
習分野のため、学生には先入観や主観を排除し、客観的な論証かつ
持論に対する責任感への意識を養ってほしいと思います。
新型コロナウイルスのパンデミックに対し非常事態を宣言し
た際、内閣総理大臣が最も懸念したのは「 私権の制限 」でした。
「 私権 」とは個人の権利、すなわち「 自由 」です。私たちはどの
程度の自由を自分や他人に認めるかを常に模索しています。
この学習分野では、国際社会を構成する主体間の様々な関係、
並びにその関係から生じる多様な問題への理解を深め、解決
方法を探ることがテーマです。そのために、学問的な分析力、
情報リテラシー、異文化間コミュニケーション能力を学生は
培います。文化や思想、背景を異にする学生が世界中から集ま
り、衝突を恐れず自由に議論を交わし適切な解を導く、それが
「 多様性の力 」です。自由を開学理念の第一に据えた APU の多
様性の力を活かし、より良い国際社会を実現するため、その方
策を一緒に探求しましょう。
020 RITSUMEIKAN ASIA PACIFIC UNIVERSITY 2021