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世 代 別 座 談 会
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した。 で店を見つけて取りに走り、工事は無事に完了。工事
吉田 隆司 柴田 ■ 営業は、商談だけでは通用しない。お客様と 会社さんからは「助かりましたよ」と声をかけていただけ 柴田 志龍 周年記念特集
――片山鉄建のブラ どう会話すればいいのかと、最初のうちは悩みますね。 ました。 ――当社は、チームに
ンド名もあるけれど、 吉田 ■ しゃべることが好きで、人と関わるのが好きな 吉田 ■ そんなふうに困った時、上司や先輩の方々はよ よって雰囲気が違う
私は「吉田から買い ので営業を志望しました。ニュース、ゴルフ、旅行、ギャ く見てくれています。 し、若手社員だけを
たい」と思ってもらえ ンブルと、堅い話題から趣味の話題までいろいろ仕入 「40歳を超えて大きなミスはできない。若いうちは失 見てもさまざま。バラ Ⅲ
るようになりたい。 れて盛り上げて、「ところでどうですか……」と仕事につ 敗しても俺が責任を取ってやる。だから、若いうちしか ンスが取れているの
なげていくようにしています。お客様は、自分より目上・ できないミスをしてこい」と後押しをしてくれるので、自由 が強みだと思います。
年上の人ばかり。「どう可愛がってもらえるか」ですよ に営業ができている。これは本当にありがたいことです。
Ryuji Yoshida ね。 また、競合企業のシェアが大きい秋田のお客様を攻 Shiryu Shibata
田中 ■ 担当のお客様には、家族経営の「一人親方」 略していた時のこと。それまでうちになかった商品を揃
―― 皆さんは、顔を合わせるのは初めてですか? が多いので、バーベキューなど、家族ぐるみのお付き合 え、加工技術でもお客様の要望に応えて、やっと大き ではないかと思います。最近は売り手市場と言われて
田中 ■ 吉田さんとは電話で一度やり取りをしたことが いをさせていただいています。 な物件を取ることができました。納期もかなり無理を言 いて、新入社員を採用しようと思っても学生がなかなか ROUND TABLE DISCUSSION
ありますが、実際に会うのは初めてです。 3年前からゴルフを始めました。業界のコンペに行く い、 1週間かかるものを3日ほどにしてもらい、秋田には 集まりません。おそらく堅い仕事だというイメージが強
吉田 ■ 電話でお話しした時は、東京で必要な材料が と、新しい出会いがあり、付き合いが広がっていきます。 自社の運送便がないので費用も余分にかかりました。 いのでしょうが、その先入観を打ち破って魅力を伝えて
釧路にあったので、加工して送っていただいて。いろい すぐに商売につながるわけではないけれど、地域に密 松戸の倉庫からもだいぶ嫌われました (笑) 。 いくのは難しい。
ろ困らせてしまいました (笑) 。 着していくためには、そういう動きをしておくのも大事だ そんな仕事ができるのも、まわりの人達の協力があっ そして、社員をどう一人前に教育していくかです。この
―― それぞれの営業所の雰囲気を教えてください。 と思っています。 てのことです。実際に損ばかりしている商売もあります ままでは、私たちが30代、 40代になったときに困るの
田中 ■ 釧路は平均年齢32歳で、若くて機動力がある 入社前、私が営業に対して抱いていたイメージは、 が、将来的に大型物件につなげていければと考えてい ではないかと心配です。
というイメージです。広い北海道に機動力は必須です。 保険や車の営業だったのですが、今私がしているのは、 ます。 吉田 ■ ロボットやAI技術が発展して、人がいなくて
柴田 ■ 大阪は20代から40代まで、幅広い層の社員 数十年かけてお客様と深く付き合っていく仕事です。同 も可能な施工方法が生まれるかもしれませんね。メー
がいます。仕事はみんなしっかりやっていますが、せか じ営業でも違うんだなと感じています。 カーさんを見ると、近頃ではボタンを押すだけでトンコ
せかしているチームもあればそれほどでもないところも ―― 具体的に、仕事での印象的なエピソードなどが AI時代になっても、基本は「人」。 イルが生産されて、トラックへの積み込みまでできるよ
ある (笑) 。チームによって雰囲気が違うし、若手社員だ あればお願いします。 他社が真似できない商流と絆を うになってきています。
けを見てもさまざまです。どこかが調子悪くても、どこか 柴田 ■ 先日、中国からの輸入品をメーカー様に納め ―― 今後の展望について、お聞かせください。 田中 ■ 無人工場が増えて省力化がますます進んでい
の調子がいい。バランスが取れているのが強みだと思 る仕事がありました。でも、品質がお客様の望まれる水 田中 ■ お客様が高齢化して、跡継ぎがいない会社も ます。でも、人と人を結ぶ仕事はなくならないはずです。
います。ただ、市場全体の活気を考えると、やはり関東 準になかったためクレームになってしまいました。 多いようです。このままでは仕事をやめてしまうところが 営業の仕事をしている限りは、今の環境で先輩のフォ
のほうが忙しいのではないでしょうか。 改善のために現地に指示をしたのですが、なかなか 多く出てくるでしょう。その商圏はどうなるのでしょうか。 ローがあれば、これからも当社での仕事は続いていくの
吉田 ■ そうですね。昨日と今日、大阪の職場の雰囲 話が通じません。いくらやっても話が噛み合わない。と ほかの地域から業者がやってきて奪っていく可能性も だろうと思います。
気を見て、空気が違うなと感じました。 いうのも、日本人とは品質に対する考え方が違うんで あります。 吉田 ■ でも、営業しなくても受注できるような時代は
東京は、余裕がなくて少しせかせかしていますね。入 す。日本は品質が良くて当たり前なのですが、中国は ですから自分のエリアを守るためにも、今、どうフォ 来るかもしれません。どちらにしても、これからは人の
社した当時のことですが、事務員さんが電話を片手に、 「安価で大量生産する代わりに、品質はそれなりでい ローしていくかを考えなくてはなりません。そのためには 存在価値が問われるようになってきます。そこで大切な
泣きながら仕事をしているのを見て「えらい会社に入っ い」という考え方です。お客様に関東まで毎週のように 「お客様のお客様」のことも知っていなければ。 のは、真似ができないものを作り上げることです。だか
たな」と思ったことがあります (笑) 。もちろん、ただ忙し 呼び出されたし、金額も大きかったので非常に心配し 吉田 ■ 東京でも、小さな店で暇そうにしているところ ら、私は他社が入り込めない、真似ができないような商
いだけではなく、社員の皆さんがそれぞれオン・オフを ましたが、なんとか解決につながってホッとしました。 も多いですね。これには大きなホームセンターの進出も 流を作っていきたいと思います。
切り替えておられますし、真剣な時もあれば笑いもある 吉田 ■ 必ずしも値段や納期がすべてではなく、営業 関係していると思います。 片山鉄建のブランド名があって、それゆえに買ってく
のですが。 マンの「人」としての資質が見られている部分が多い。 柴田 ■ 社内に目を向けると、若手の人材育成が課題 ださっているお客様も多いですが、私は「吉田から買い
そこが試されているように思いますね。 たい」と思ってもらえるようになりたい。そういうお客様
田中 ■ 昨年、工事直前になって板金施工業者の手 が少しずつ増えてくると、やりがいもひとしおだと思いま
「失敗しても責任を取ってやるから」 配がつかなくなった建設会社様がありました。釧路片 田中 裕哉 す。
と、上司が言ってくれる風土 山鉄建はその工事にタッチしていなかったのですが、 ――省力化が進んで
―― 営業の仕事についてお聞かせください。 頼りにされると断れません。なんとか工期内にやっても も、今の環境で先輩 世 代別座談会
柴田 ■ 私は、福岡出身で大阪に配属されました。今 らえないかとご依頼をいただき、台風が来るなど忙し のフォローがあれば、
では慣れましたが、当初は大阪弁がきつく感じられまし いシーズンでしたが、車で板金屋を探し回り、なんとか これからも当社での
た (笑) 。 3社で15人にご協力いただき現場に乗り込みました。 仕事は続いていくの
田中 ■ 私も板金店さんを担当させていただいて間も でも、トラブルは続きました。あと何日かで工事が終 だろうと思います。
ない頃、「もう来るな」と言われたことがありましたね。 わるという段階になって、ビスが足りなくなって。お盆の
現場での施工を全く知らず、相手にしてもらえませんで 時期でどこの店も休みだったのですが、なんとか根室 Yuya Tanaka
202 ◆ ◆ ◆ THE 100 YEAR HISTORY OF E.KATAYAMA & CO., LTD. ˗ ˗ ˗ 203