Page 103 - 00_片山鉄建様_表紙
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世 代 別 座 談 会
                                                                                                                                                                                                                                           0 0 1
                                                               した。                                                                     で店を見つけて取りに走り、工事は無事に完了。工事
                                      吉田 隆司                    柴田 ■  営業は、商談だけでは通用しない。お客様と                                              会社さんからは「助かりましたよ」と声をかけていただけ                       柴田 志龍                                              周年記念特集
                                      ――片山鉄建のブラ                どう会話すればいいのかと、最初のうちは悩みますね。                                               ました。                                             ――当社は、チームに
                                     ンド名もあるけれど、                吉田  ■  しゃべることが好きで、人と関わるのが好きな                                            吉田  ■  そんなふうに困った時、上司や先輩の方々はよ                     よって雰囲気が違う
                                      私は「吉田から買い                ので営業を志望しました。ニュース、ゴルフ、旅行、ギャ                                              く見てくれています。                                       し、若手社員だけを
                                     たい」と思ってもらえ                ンブルと、堅い話題から趣味の話題までいろいろ仕入                                                   「40歳を超えて大きなミスはできない。若いうちは失                     見てもさまざま。バラ                                          Ⅲ
                                     るようになりたい。                 れて盛り上げて、「ところでどうですか……」と仕事につ                                              敗しても俺が責任を取ってやる。だから、若いうちしか                        ンスが取れているの
                                                               なげていくようにしています。お客様は、自分より目上・                                              できないミスをしてこい」と後押しをしてくれるので、自由                      が強みだと思います。
                                                               年上の人ばかり。「どう可愛がってもらえるか」ですよ                                               に営業ができている。これは本当にありがたいことです。
                                      Ryuji Yoshida            ね。                                                                         また、競合企業のシェアが大きい秋田のお客様を攻                       Shiryu Shibata
                                                               田中  ■  担当のお客様には、家族経営の「一人親方」                                             略していた時のこと。それまでうちになかった商品を揃
               ―― 皆さんは、顔を合わせるのは初めてですか?                         が多いので、バーベキューなど、家族ぐるみのお付き合                                               え、加工技術でもお客様の要望に応えて、やっと大き                         ではないかと思います。最近は売り手市場と言われて
               田中 ■  吉田さんとは電話で一度やり取りをしたことが                     いをさせていただいています。                                                          な物件を取ることができました。納期もかなり無理を言                        いて、新入社員を採用しようと思っても学生がなかなか                         ROUND TABLE DISCUSSION
              ありますが、実際に会うのは初めてです。                                 3年前からゴルフを始めました。業界のコンペに行く                                             い、 1週間かかるものを3日ほどにしてもらい、秋田には                      集まりません。おそらく堅い仕事だというイメージが強
               吉田 ■  電話でお話しした時は、東京で必要な材料が                      と、新しい出会いがあり、付き合いが広がっていきます。                                              自社の運送便がないので費用も余分にかかりました。                         いのでしょうが、その先入観を打ち破って魅力を伝えて
               釧路にあったので、加工して送っていただいて。いろい                       すぐに商売につながるわけではないけれど、地域に密                                                松戸の倉庫からもだいぶ嫌われました (笑) 。                          いくのは難しい。
              ろ困らせてしまいました (笑) 。                                着していくためには、そういう動きをしておくのも大事だ                                                 そんな仕事ができるのも、まわりの人達の協力があっ                         そして、社員をどう一人前に教育していくかです。この
               ―― それぞれの営業所の雰囲気を教えてください。                        と思っています。                                                                てのことです。実際に損ばかりしている商売もあります                        ままでは、私たちが30代、 40代になったときに困るの
               田中 ■  釧路は平均年齢32歳で、若くて機動力がある                        入社前、私が営業に対して抱いていたイメージは、                                              が、将来的に大型物件につなげていければと考えてい                         ではないかと心配です。
              というイメージです。広い北海道に機動力は必須です。                        保険や車の営業だったのですが、今私がしているのは、                                               ます。                                              吉田  ■  ロボットやAI技術が発展して、人がいなくて
               柴田 ■  大阪は20代から40代まで、幅広い層の社員                     数十年かけてお客様と深く付き合っていく仕事です。同                                                                                                も可能な施工方法が生まれるかもしれませんね。メー
               がいます。仕事はみんなしっかりやっていますが、せか                       じ営業でも違うんだなと感じています。                                                                                                       カーさんを見ると、近頃ではボタンを押すだけでトンコ
               せかしているチームもあればそれほどでもないところも                       ―― 具体的に、仕事での印象的なエピソードなどが                                                   AI時代になっても、基本は「人」。                             イルが生産されて、トラックへの積み込みまでできるよ
              ある (笑) 。チームによって雰囲気が違うし、若手社員だ                         あればお願いします。                                                             他社が真似できない商流と絆を                                うになってきています。
               けを見てもさまざまです。どこかが調子悪くても、どこか                      柴田 ■  先日、中国からの輸入品をメーカー様に納め                                              ―― 今後の展望について、お聞かせください。                           田中  ■  無人工場が増えて省力化がますます進んでい
               の調子がいい。バランスが取れているのが強みだと思                        る仕事がありました。でも、品質がお客様の望まれる水                                               田中  ■  お客様が高齢化して、跡継ぎがいない会社も                      ます。でも、人と人を結ぶ仕事はなくならないはずです。
               います。ただ、市場全体の活気を考えると、やはり関東                       準になかったためクレームになってしまいました。                                                 多いようです。このままでは仕事をやめてしまうところが                       営業の仕事をしている限りは、今の環境で先輩のフォ
               のほうが忙しいのではないでしょうか。                                 改善のために現地に指示をしたのですが、なかなか                                              多く出てくるでしょう。その商圏はどうなるのでしょうか。                      ローがあれば、これからも当社での仕事は続いていくの
               吉田 ■  そうですね。昨日と今日、大阪の職場の雰囲                      話が通じません。いくらやっても話が噛み合わない。と                                               ほかの地域から業者がやってきて奪っていく可能性も                         だろうと思います。
               気を見て、空気が違うなと感じました。                              いうのも、日本人とは品質に対する考え方が違うんで                                                あります。                                            吉田  ■  でも、営業しなくても受注できるような時代は
                  東京は、余裕がなくて少しせかせかしていますね。入                     す。日本は品質が良くて当たり前なのですが、中国は                                                   ですから自分のエリアを守るためにも、今、どうフォ                      来るかもしれません。どちらにしても、これからは人の
               社した当時のことですが、事務員さんが電話を片手に、                      「安価で大量生産する代わりに、品質はそれなりでい                                                 ローしていくかを考えなくてはなりません。そのためには                       存在価値が問われるようになってきます。そこで大切な
               泣きながら仕事をしているのを見て「えらい会社に入っ                       い」という考え方です。お客様に関東まで毎週のように                                              「お客様のお客様」のことも知っていなければ。                            のは、真似ができないものを作り上げることです。だか
               たな」と思ったことがあります (笑) 。もちろん、ただ忙し                   呼び出されたし、金額も大きかったので非常に心配し                                                吉田  ■  東京でも、小さな店で暇そうにしているところ                     ら、私は他社が入り込めない、真似ができないような商
               いだけではなく、社員の皆さんがそれぞれオン・オフを                       ましたが、なんとか解決につながってホッとしました。                                               も多いですね。これには大きなホームセンターの進出も                        流を作っていきたいと思います。
               切り替えておられますし、真剣な時もあれば笑いもある                       吉田 ■  必ずしも値段や納期がすべてではなく、営業                                              関係していると思います。                                        片山鉄建のブランド名があって、それゆえに買ってく
               のですが。                                           マンの「人」としての資質が見られている部分が多い。                                               柴田  ■  社内に目を向けると、若手の人材育成が課題                      ださっているお客様も多いですが、私は「吉田から買い
                                                               そこが試されているように思いますね。                                                                                                       たい」と思ってもらえるようになりたい。そういうお客様
                                                               田中 ■  昨年、工事直前になって板金施工業者の手                                                                                                が少しずつ増えてくると、やりがいもひとしおだと思いま
                「失敗しても責任を取ってやるから」                              配がつかなくなった建設会社様がありました。釧路片                                                田中 裕哉                                            す。
                 と、上司が言ってくれる風土                                 山鉄建はその工事にタッチしていなかったのですが、                                                ――省力化が進んで

               ―― 営業の仕事についてお聞かせください。                           頼りにされると断れません。なんとか工期内にやっても                                               も、今の環境で先輩                                                                                           世 代別座談会
               柴田 ■  私は、福岡出身で大阪に配属されました。今                      らえないかとご依頼をいただき、台風が来るなど忙し                                                のフォローがあれば、
               では慣れましたが、当初は大阪弁がきつく感じられまし                       いシーズンでしたが、車で板金屋を探し回り、なんとか                                               これからも当社での
               た (笑) 。                                         3社で15人にご協力いただき現場に乗り込みました。                                               仕事は続いていくの
               田中 ■  私も板金店さんを担当させていただいて間も                       でも、トラブルは続きました。あと何日かで工事が終                                               だろうと思います。
               ない頃、「もう来るな」と言われたことがありましたね。                      わるという段階になって、ビスが足りなくなって。お盆の
               現場での施工を全く知らず、相手にしてもらえませんで                       時期でどこの店も休みだったのですが、なんとか根室                                                Yuya Tanaka


        202  ◆  ◆  ◆                                                                                                                                                                         THE 100 YEAR HISTORY OF E.KATAYAMA & CO., LTD.   ˗  ˗  ˗  203
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