Page 101 - 00_片山鉄建様_表紙
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SPECIAL ISSUE
                                                      SPECIAL ISSUE
                    Keywords of KATAYAMA                                                              1                                      Keywords of KATAYAMA                                                              2           0 0 1

                                                                                                                                                                                                              片山鉄建 の基礎知識                   周年記念特集
                                      片山鉄建 の基礎知識



                        当社には、第2代栄三社長時代から脈々と受け継がれる大切な「ことば」がある。                                                                                                                                                                               Ⅱ
                            次代へつなぐこれらの「ことば」を通して、片山鉄建のDNAを振り返る。

           【 啄同時】                                              点で聞き入れることが肝心」との教えである。                                                【明元素】                                           【暗病反】
                                            そったくどうじ
                                                                                                                                                                めいげんそ
                                                                                                                                                                                                                あんびょうたん
                                                                 教わる側の人々は、いつも手を挙げて待っている。そ
                                                               のタイミングを逃さず、的確に応えようと努力できる
              [解説]                                             先輩は、後輩のことを常に大切に育てようとしている。                                               現状打破言葉                                           現状維持言葉
               教わる側は、いつも手を挙げて待っている。                            当社がもつ素晴らしい風土の基本として、これからも                                                充実している  頑張ります  簡単だ               おもしろい           忙しい          疲れた      難しい       つまらない             KEYWORDS OF KATAYAMA
              (教える側は) そのタイミングを逃してはならない                         心に刻みたいことばである。                                                           できる         すてきだ      楽だ         やれる             できない         いやだ      困難だ       ダメダ
                                                                                                                                       金がある        おいしい      まだ若い       きれいだ            金がない         まずい      もう年だ      きたない
                 そつ
               「啐」はひなが卵の殻を破って出ようとして鳴く声、                                                                                                努力します       利口だ       幸せだ        やってみよう          どうしよう        バカだ      不幸だ       やりたくない
               たく
              「啄」は母鳥が殻をつつき割る音。この二つが、不思議に                                                                                               楽しい         元気だ       素晴らしい  試みる                 おもしろくない  困った          マイッタ      苦しい
               も全く時を同じくして行われる様子を表したのが「啐                                                                                                イケル         可能だ       美しい        うれしい            つらい          失敗した     わからない  大変だ
               啄」。両方のタイミングが一致して殻が破れ、生命の誕
               生が実現するという大自然の摂理。ポイントとなるの
               は両者の愛情の一致であり、心を同時に通わせること
               である。
                本来は、“師と修行者との呼吸がぴたりと合うこと”、
               転じて“またとない好機”といった意味合いでも使われ
               る禅宗の用語だ。
                当社における“師と修行者”とは、先輩と後輩。すなわ
               ち「啐啄同時」とは、先輩社員から後輩社員への指導の
               ポイントを説いたもので、「先輩たる者は、いろんな『啐』
              (=部下の声)を察知して、聞き流すことなく受け止め
               よ」という意味。その声は、社員が抱く希望や願望、時に
               文句や不満であるので、「小さな声として発せられた時
                                                                                                                                      [解説]   ありがとうは成功を勝ちとる                    「ことば」は、お客様の心をつかむための大切な商売道具。ことばの
                                                                                                                                                       ことだま                  選び方一つで、仕事が前向きにも後ろ向きにも転換する。
                                                                                                                                               プラスの言霊エネルギー
           【御用達】                                               れが、当社で綿々と息づく「御用達」の精神である。                                                                                      素」、そして現状維持ばかりで発展性のないことばを「暗病反」として
                                                                                                                                                                              当社では、現状をプラスに導く“成功を勝ち取ることば”を「明元
                                      ごようたし
                                                                 単に相手の幸せを祈るだけでは「御用達」とは言えな
                                                               い。何よりも追求すべきは、相手が望む、その一歩先を                                                                                     明確に区別している。いかなる状況にあっても「明元素」を忘れず、前
             [解説]                                              見据えた提案。つまり「お客様へのプラス提案」。                                                                                       向きに捉える。このような姿勢が、企業と人間の成長に欠かせない大
               “仕事を追おう”は御用達の実践法であり、                              お客様は、自分にプラスになる提案のできる人を求                                                                                     きな力となるのだ。

              一人ひとりの成長の糧である                                    めている。お客様の現場に足を運べば、「御用達」の精
                                                               神を具現化するためのヒントが見つかるはず。現場を
                “宮内省御用達”ということばがある。皇室の一切を                       肌で感じ、問題点を察知して検討することが、お客様                                                                                     [解説]   自分を戒めるために
                                                                                                                                                  (おいあくま)
               司る役所が利用するハイレベルな品物を意味する表現                        にとって最高の「御用達」につながるのだ。                                                 【5禁                             】               常に意識をしておきたい
               で、明治から昭和期に使われていた呼称だ。現代でも                          このように、常に自ら考えて“仕事を追う”という姿                                                 お      い     あ     く      ま
               “英国王室御用達”など、人々の価値基準として汎用さ                       勢こそが「御用達」の実践法であり、その積み重ねが成                                                                                      1968(昭和43)年、栄三社長の代に発表した「株式会社片山商店の
               れている。                                           長の糧になる。                                                                     こるな    ばるな    せるな    さるな    けるな   経営に就いて」。その中に、経営理念や社是とともに明文化されてい                               の 基礎知識 片山鉄建
                当社においては、取り扱う商品こそが「御用達」。取                         今、自分は仕事を追っているだろうか? お客様に                                                                                     た、三つの社訓のうちの一つ。
               引先の人を敬う気持ちを込めて使われてきた。                           プラス提案をしているだろうか? 常に自問して、根                                                                                       曹洞宗を開いた道元禅師の教えで、当時の栄三社長が社員に向け
               「得意先の顧客だけでなく、仕入先、運送業、銀行な                        気よく追求すること。それが立派なプロとして、幸せ                                                                                      て紹介した言葉であると伝えられている。
               どの金融関係に至るまで、仕事上で接するすべてのお                        になるための唯一無二の道となる。                                                                                               いずれの感情も、人間ならば誰もが抱くちょっとした不満や欺瞞。
               相手の幸せを祈る気持ちで仕事に取り組もう」――そ                                                                                                                                      自分を戒めるために、常に意識しておきたい「ことば」である。




        198  ◆  ◆  ◆                                                                                                                                                                         THE 100 YEAR HISTORY OF E.KATAYAMA & CO., LTD.   ˗  ˗  ˗  199
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