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● 「“ 商売の流れを体で受け止める”ことによっ ――この体験は、片山茂の、片山鉄建の進む道
て、お客様も自然についてくる」と茂は考え、 だ。 (2015.5.28)
得意先の声を重視し、必要とされる時に良い ・ 商売のやり方
品物を提供し続けるため、常に変わらぬ情熱 「片山オリジナル商法・商品に、全員が惚れて
で仕事に向き合った。そんな茂の人柄がよく 惚れて惚れぬけ!」
わかるのが、経営困難になった函館のヤマキ 惚れて惚れて惚れぬけば、必ずやり遂げられる。 特集
小林、帯広の三原商店などに手を差し伸べ (1997 年のメモより)
て関連会社としたエピソードだ。
「営業担当者は、得意先と一緒に息をしている
社長就任以降
ぐらい一心同体となり、得意先の繁盛をいつ
も祈っているべき」であり、取引先が経営不 ● 兄であり、第2 代社長である栄三のことを常
振になった時も「一緒に心を痛めて解決の道 に尊敬し、 1990 (平成2) 年の社長就任後も
を試みるべき」だと考えた。 協力し合って会社を支えた。日本経済がバブ Ⅰ 記念対談
● 商品の可能性を見抜く力に長けた茂は、扇 ル崩壊を迎える中、サビナシルーフ、パーフェ 「“メーカー”と“商社”の互いを結ぶ絆を考える」
印金属タイル、カベラス、シートラス、サビナ クトルーフの拡販を担った SP チーム、農業 片山 茂×福島 幹雄 氏
シルーフなど、多くの利益商品を片山鉄建の 分野への拡販を担った MR チームなどの新
商品に加えた。多くの商品を手掛ける中で、 しいビジネスのスタイルに取り組み、「生活
仕入先の倒産に遭遇することもあった。仕入 文化づくりのシステム・コンダクター」として Ⅱ 片山鉄建の基礎知識
先が倒産した場合、同じ商品はどこにも見つ の面目躍如たる活動を展開した。だが東京
からない。その体験から、売り先と同様に、 の経済はバブル崩壊の影響が特に深刻で、
仕入先に対しても信用のチェックは欠かせな その対策に心を砕いた。
いものであることを実感したという。 ● 2002 (平成14) 年2月、社長職を隆之に譲り、 Ⅲ 世代別座談会
会長に就任。社員と会社の成長を陰ながら
見守り続けている。
片山茂メモより
・ 今にして思えば、私が現役時代やった仕事で後
に考えて会社の役に立ったといえることは、全部。
必死に取り組んでいたときは、自分のやった大失
敗と思っていた。 (中略) 『失敗から学ぶ』
100 YEAR
FEATURE
OB 会 八丁堀の店で。後列左から長谷川、菅原、古川、片山茂、晴山、佐々木、越後、森、児玉。
前列左から上田、井上、佐藤、竹内、小野寺、堤橋、片山富美子(2015年10月15日)
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