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2017

     沿革編                                                                                                                                                                                                                                   沿革編
                                             上がった。工場に約2億円強、内部設備に1億5,000万円強の投資を                                                         代に合致したシステムが必要となる。
                                             することが決定し、 2017年4月に地鎮祭を行って、 SUMI 建築計画                                                        現在、当社が計画している新しいコンピューターシステムでは、

                                             室の設計、株式会社石塚工務店の施工により11月に竣工した。その                                                           近年における自社加工の増加や工事の強化に対応した機能を搭載す
                                             壁面には、北海道の建築を主導する当社にふさわしく、色鮮やかな                                                            るとともに、オフコンからオープン系への移行を進める。それに伴っ

                                             ペインティングが施されて話題となった。                                                                       て、申請処理のワークフロー化により機能面の充実と決済のスピー
                                               金属屋根の市場が北海道において成熟しつつあるなかで、ビジネ                                                           ドアップを図る予定である。
                                             スの範囲はよりユーザーのかゆいところまで手を伸ばして、ニーズ                                                              このように、常に新しいビジネスを目指して変わり続けていくの
                                             に応える方向へ進んでいる。その経験則を他の地域にも活かしてい                                                            が当社の定めである。それゆえに、新商品、新規仕入先、新規販売先                                                                     CHRONICLE

                                             くことが、今後への鍵を握ることであろう。                                                                      など、あらゆる角度から次のステージを予測し、環境の変化に柔軟
                                                                                                                                       に対応し続けるために、今後も将来に備えた設備投資を継続してい
     CHRONICLE
                                             新しいビジネスの形を目指して                                                                            くことになる。そうでなければ、めまぐるしく変わる業界のなかで                                                                       片山栄 Ⅰ 一 の 時代 そ と

                                                                                                                                       後塵を拝する結果となるに違いない。
                                               2019 (令和元) 年8月1日、当社は輝ける100周年の日を迎えた。
                                             しかし、それはあくまでも通過点に過ぎない。この深く刻まれた年                                                            感謝の想いを胸に
                                             輪に、新たな経験、新たな歴史を加えるのが、今日の我々に課せられ

                                             た責務である。                                                                                     長きにわたる当社の歩みは、一人の経営者によるものではなく、                                                                     Ⅱ
                                                                                                                                                                                                                                            大阪 か 本全国 へ 日 ら
                                               流通は時代とともに大きく変わっていく。創業者の時代の得意先                                                           社員が共に成長を遂げる素晴らしい伝統に支えられてきたもので
                                             である金物店はホームセンターに取って代わられた。当社において                                                            あった。

                                             も1994 (平成6) 年にファームランドとの取引を開始し、北関東営業                                                         新しい人材は組織を活性化させる起爆剤である。当社では、バブ
                                             所を中心に販路を全国規模に拡大していくこととなった。さらに金                                                            ル崩壊以降も定期的に人事採用を行ってきた。それとともに、営業
                                             物・建材店からホームセンターにシェアが移り出した同年、羽生プ                                                            担当者個人の力に頼るのではなく、チームで仕事を進め、相乗効果                                                                      Ⅲ
                                                                                                                                                                                                                                            片山鉄建 精神 の
                                             ラスチック株式会社と塩ビ波板の取引を開始。 2000年には株式会                                                          を高めることができるような組織の在り方を目指してきた。現場の                                 創立 100 周年記念式典での社長挨拶
                                             社タスクスリーとも取引を始め、販売エリアを静岡・長野に拡大し                                                            社員がそれぞれの立場から後輩を指導することで、社員が成長して
                                             た。そして2002年、コメリとの取引開始によって全国展開をスター                                                          いける体制を整えてきたのである。

                                             トさせ、当社にとって最大のユーザーとなった。                                                                      今世紀に入る頃からは、従来の営業所の枠を超えた人事異動や
                                               2007年には三星商事株式会社との取引が始まり、拡大路線に拍                                                          ジョブローテーションを積極的に行ってきた。これは、ビジネスが                                                                      Ⅳ
                                             車が掛かっていく。 2009年、トステムビバ株式会社 (現・株式会社                                                        地域の独自性に縛られることが多かった時代から、スタンダードで、                                                                      近年 片山鉄建 の
                                             LIXIL ビバ) と取引を開始。関東の大手ホームセンターとは初の取引                                                       さらにはインターナショナルな感性がビジネスに要求される時代へ
           コメリでの展開
                                             となった。 2018年時点のホームセンターでの売上は14億4,700万                                                       と変化してきたことが背景にある。
                                             円で、当社の売上構成比の8%弱を占めている。ホームセンターとの                                                             当社では、これからも永遠の課題である「人づくり」に積極的に取                               創立 100 周年記念祝賀会での乾杯の挨拶
                                             ビジネスを開始するにあたっては、既存の金物店ルートからの抵抗                                                            り組み、次世代リーダーの育成に努めていきたい。そして、ほかには

                                             感を気にする声もあったが、手をこまねいていたら大きなビジネス                                                            ない非凡なものを生み出し、それをコツコツと積み重ねることで、                                                                      第
                                             を取りこぼす結果となっていたであろう。                                                                       新たなる歴史を重ねていきたいと考えている。                                                                               3
                                                                                                                                                                                                                                           章
                                               ビジネスに用いる伝達手段も大きく変わってきた。戦後まもない                                                             当社が創業100周年の大きな節目を迎えることができたのも、温
                                                                                                                                                                                                                                           未
                                             時代においては出張先からの連絡に電報を用いていたが、それが電                                                            かく見守ってくださった仕入先、取引先をはじめとする業界関係者、                                                                     未 未

                                             話となり、ファクシミリ、ポケットベル、携帯電話、スマートフォン                                                           そして当社を取り巻く社会のおかげである。この大きな節目を迎え、                                                                     未 か 未
                                             へと進化していった。今日ではインターネットを通じてのエンド                                                             改めて感謝の念を深く心に刻みつつ、未来に向けての第一歩を着実                                                                      て

           ビバホーム(LIXIL ビバ)での展開               ユーザー直接販売が当たり前の時代になっており、情報戦略にも時                                                            に踏み出していきたい。                                                                                         「




        184  ◆  ◆  ◆                                                                                                                                                                         THE 100 YEAR HISTORY OF E.KATAYAMA & CO., LTD.   ˗  ˗  ˗  185
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