Page 93 - 00_片山鉄建様_表紙
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Chapter 3
                 3
     沿革編                                                                                                                                                                                                                                   沿革編
             第  章                            2017                                                                                      北海道における新しい展開
                                                        (平成 29)年



                                                                                                                                         北海道におけるビジネスでは20年近くにわたって、素材販売から
                     て 未 か っ む 来 へ           世界を見据えて                                                                                   加工分野、そして施工分野へと業態の転換が図られてきた。これら


                                                                                                                                       の転換は、金属屋根の普及が進む北海道の建築事情に対応するため
                                               バブル崩壊以降、当社業務では工事受注が大きな比重を占めてき                                                           必然的に進められたものではあるが、同様の展開が北海道以外の地
                                             た。そしてそこから、数々の新しいノウハウも生まれ育ってきた。                                                            域でも進んでいることから、今後のビジネスにとって先行指標の役
                                             特殊屋根の受注は、それまで付き合いのなかったお客様との出会い                                                            割を担う動きであるとも言える。                                                                                     CHRONICLE

                                             をもたらし、新しいお客様との親密な関係は、さらに従来の線材受                                                              ここで、近年における北海道の動きを見てみることにする。
                                             注にも発展していく。                                                                                  さまざまな工事にあたり、スケジュールを着実にこなしていくた
     CHRONICLE
                                               また、「上海片山洋行」「天津片山洋行」といった戦時中の海外展                                                          めには、板金職人の確保が必須である。しかし北海道においては、工                                                                     Ⅰ
                                                                                                                                                                                                                                            片山栄 一 と そ の 時代
                                             開や、「EK.FASTENERS,INC.」のような成功例の経験もふまえ、                                                     事が集中する時期が発生することもあり、繁忙期に板金職人を確保
                                             世界に目を向けたビジネスも検討中だ。                                                                        するのが難しいという側面があった。
                                               世界を見据えた新しい展開を進めるための人づくりも始まってお                                                             2015 (平成27) 年、当時、解散に直面していた板金店から職人2名

                                             り、 2017 (平成29) 年6月には外国人技能実習生3名が来日して松戸                                                     を神鐵の社員として迎え入れ、専属の工事部門を設立する。冬季に

                                             で金属加工を学び、 2019年1月には2期生3名が着任した。外国人                                                         仕事が急減する板金職人を丸抱えにした企業は北海道では珍しく、                                                                      Ⅱ
                                                                                                                                                                                                                                            大阪 ら へ 本全国 日 か
                                             技能実習制度のカテゴリーは建築板金の分野にも広がっており、そ                                                            雇用された職人にとっても、年間を通して安定した収入が確保でき
                                             の可能性は大きい。                                                                                 る会社勤めは新鮮に感じられたことであろう。職人はその後、 3名

                                               将来的には日本の建築板金技能が立派な輸出産業になるという信                                                           に増えた。
                                             念のもとに、当社は東アジア (インドシナ半島) エリアに日本の建築                                                           2017年1月には板金工事会社・株式会社ルーフワンを設立した。
                                             板金技能を広めるビジネスを展開したいと考えている。                                                                 代表取締役には当社札幌営業所所長の阿部智康が就任した。事務所                                                                      Ⅲ
                                                                                                                                                                                                                                            片山鉄建 精神 の
                                                                                                                                       は札幌鉄鋼センター内に置き、神鐵に在籍した職人に2名の新人を
                                                                                                                                       加えて5名体制で営業を開始した。また、同年4月には、釧路片山鉄
                                                                                                                                       建が管理する形で地元板金店出身の職人3名を組織し、ルーフワン

                                                                                                                                       釧路営業所も開設された。職人は2018年夏までに5名となり、着々
                                                                                                                                       と体制を整えている。                                                                                          Ⅳ
                                                                                                                                         グループ会社が増えたことで札幌鉄鋼センターが手狭になり、同                                                                      近年 片山鉄建 の
                                                                                                                                       センターの西側に約300坪の倉庫と事務所を新築する計画が立ち                                 ルーフワンの施工(2018 年 8 月 5 日)








                                                                                                                                                                                                                                           第
                                                                                                                                                                                                                                           3
                                                                                                                                                                                                                                           章
                                                                                                                                                                                                                                           未
                                                                                                                                                                                                                                           未
                                                                                                                                                                                                                                           未
                                                                                                                                                                                                                                           未
                                                                                                                                                                                                                                           か
                                                                                                                                                                                                                                           未
                                                                                                                                                                                                                                           て

           パーフェクトルーフ施工例(名古屋市科学館プラネタリウム)                                                                                                札幌鉄鋼センター(酒井広司氏撮影)                                                                                   「




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