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2001 2016

     沿革編                                                                                                                                                                                                                                   沿革編
                                             脚立作業が不要で、安全に施工することができる。                                                                   蟻掛、角波、 K スパンなどの各種屋根・壁材成型機を保有していたが、
                                               農林水産省によると、鳥獣被害は2010年にピークを迎え、全国                                                          地元札幌周辺の営業は歴史的に強いとは言えず、新規攻略にも難渋

                                             で110,059ha、金額にして239億4,884万円の被害が発生した。獣                                                     していた。吉田鋼機の商圏を確保することにより、売上のみならず
                                             害防止金網の設置に関する補助金制度を整備する市町村が相次ぐ                                                             加工設備の稼働率向上も期待できたことから、この業務提携が実現

                                             など、獣害防止金網をめぐるビジネスが活気づくなか、ある市では、                                                           することとなったのである。
                                             300㎞にわたって採用されるなど、当社においても大規模な受注に
                                             恵まれ、 2012年に年間約4億円の売上に到達するまで成長した。                                                          第 2 代代表・片山栄三の逝去
                                             2018年現在、約1,400㎞の実績となっている。                                                                                                                                                                     CHRONICLE

                                               しかし、補助金の減少により大型物件が減少したことと、獣害防                                                             2008 (平成20) 年5月28日、片山栄三取締役相談役が逝去した。
                                             止柵分野へ便乗する企業が多発し、価格競争が激化したことにより、                                                           享年82。 27歳で社長に就任して以来、 56年間にわたり当社の実質
     CHRONICLE
                                             ビジネスは縮小傾向へ向かった。全盛期まで戻っていないものの、                                                            的トップを務めた偉大なる存在を失った当社は、悲しみに声を失わ                                                                      Ⅰ
                                                                                                                                                                                                                                            片山栄 そ の 時代 と 一
                                             現在は安定的に販売実績を上げるところまできている。近年は、新                                                            ざるを得なかった。
                                             しい分野への参入として、ソーラー発電周囲簡易フェンスとしての                                                              同年7月1日には、亡き片山栄三を偲ぶ会が大阪市北区の大阪新
                                             施工性の良さ (工期短縮=価格コストダウン) が高い評価を受け、採用                                                        阪急ホテルで開かれ、メーカーや流通の業界関係者、取引先、 OB 社
                                             されるケースが多くなっている。                                                                           員など約500名が献花に訪れた。会場には故人ゆかりの写真、自筆

                                               ジンク・ウェルドメッシュは、獣害防止柵として、実証に基づい                                                           年賀状、著書、俳画などが並べられ、来場者一人ひとりが在りし日の                                                                     Ⅱ
                                                                                                                                                                                                                                            大阪 か 本全国 へ 日 ら
                                             た高い防御率から、獣害防止柵のブランドとして農業従事者や農家                                                            故人に想いを馳せた。
                                             などに認知されており、同時に、当社が獣害防止柵メーカーとして

                                             認知されるまでになった。また、工場などに使用されるメッシュパ
                                             レット用部材にも採用されるなど、さまざまな用途の可能性を秘め
                                             ている。                                                                                                                                                                                          Ⅲ
                                                                                                                                                                                                                                            片山鉄建 精神 の

                                             吉田鋼機との業務提携



                                               2007 (平成19) 年から翌年にかけて、札幌鉄鋼センターに、吉田鋼
                                             機の事務所が開設された。                                                                                                                                                                                  Ⅳ
                                               翌2008年5月には、吉田鋼機と業務提携を結んだ。以降、吉田鋼                                                                                                                                                              近年 片山鉄建 の
                                             機が受注した成型加工品はすべて札幌鉄鋼センターで加工されるこ

                                             ととなり、同月より吉田鋼機の社員6名が仮設事務所で業務を開始
                                             した。
                                               吉田鋼機は1931 (昭和6) 年創業で、ピーク時には売上高が10億円

                                             を超えたが、当社の関連会社になる頃には、需要の減少や市場規模                                                                                                                                                                第
                                             の縮小により約2億3,000万円まで落ち込んでいた。株式取得以前                                                                                                                                                              2
                                                                                                                                                                                                                                           章
                                             は、両社の間にほとんど取引がなかった。にも関わらずこのような
                                                                                                                                                                                                                                           と 環境 ズ ム バ リ グ ー ロ
                                             提携が実現したのは、かつて吉田鋼機の関連会社であった釧路吉田

                                             鋼機の前例があったためである。
                                               当社の札幌鉄鋼センターは、スリッターラインをはじめ、横葺

                                            (180mm、 230mm) 、蟻掛、立平、フラットルーフ、 H ルーフ、カバー                                                   片山栄三を偲ぶ会にて
                                                                                                                                                                                                                                           「
                                                                                                                                                                                                                                           時代


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