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2001 2016

     沿革編                                                                                                                                                                                                                                   沿革編
                                             新次元の付加価値を目指して                                                                               鋼板そのものも進化し、翌年3月には JFE 鋼板が JFE エコガルの
                                                                                                                                       製造を開始した。 JFE エコガルは亜鉛に5%アルミニウムと微量添

                                               当社の経営を食事に例えるならば、亜鉛鉄板は主食であり、薄利                                                           加物を加えた合金で、通常の亜鉛メッキよりも飛躍的に耐食性を高
                                             であってもしっかりとしたビジネスを築き上げることが大切であ                                                             めた製品であった。その際、高速道路や畜舎などの多くの用途に採

                                             る。そのためには、高付加価値の利益商品を副食として、売上と利益                                                           用された。
                                             のバランスを保たなければならない。高炉から出されたままの製品                                                              また、 2007年には、東京にダイムワカイ東日本事業部が新設され
                                             が一次製品、釘・針金などが二次製品であるならば、より付加価値                                                            た。ダイムワカイも東京事務所を閉鎖していた時期があったが、東
                                                                                                                                                                                                      高速道路遮音壁「JFE エコガルカラー」・東名高
                                             の高い三次製品、四次製品を作り出すことで、より多くの利益が確                                                            京は設計事務所の数も圧倒的に多く、地方の物件についても東京の                                 速道路(愛知県)                             CHRONICLE
                                             保できるようになると考えるのは当然の流れであった。                                                                 事務所を中核として現地の設計事務所と JV(ジョイントベンチャー
                                               21世紀を迎えた前後には、ダイオキシンやアスベストなどの汚染                                                          =建設業における共同企業体) を組むケースが多い。東京での設計活
     CHRONICLE
                                             物質が社会問題になるとともに、ゴミ問題、水問題、エネルギー問題                                                           動を再開・強化することにより、物件創出を増やすことに注力した                                                                      Ⅰ
                                                                                                                                                                                                                                            片山栄 の 時代 そ 一 と
                                             や地球温暖化問題など、さまざまな環境問題に対する関心が高まっ                                                            のである。
                                             た。そのような「環境の時代」の到来により、太陽光発電設備への期
                                             待も高まり、屋根の上にソーラーパネルを設置する家屋が増えてい                                                            防獣ネットの展開
                                             く。

                                               2007 (平成19) 年になると、当社はルーフ & サイディング事業の                                                      近年、山間部などの市町村でイノシシ、ハクビシン、アライグマ、                                                                    Ⅱ
                                                                                                                                                                                                                                            大阪 本全国 へ 日 か ら
                                             充実を図るべく、九州以外で「H ルーフ」の商権を完全に譲り受け                                                           サルなどによる鳥獣被害が発生し、地方自治体が対策に乗り出す事
                                             た。「H ルーフ」は熊本の有限会社花谷工業と稗島建築板金が考案                                                           態となっている。例えば、和歌山県の山中を走行するJR紀勢線では、

                                             した商品で、両社が立ち上げた耐久メタル工業株式会社が工業所有                                                            イノシシとの衝突事故が年間数十件も発生している。また、ゴルフ
                                             権12件を所有していた。当社は耐久メタル工業と特許関係の契約                                                            場に野生動物が侵入し、芝を荒らす被害も多く見られるようになっ
                                             を締結した。                                                                                    た。猟師の減少や高齢化、山間部の過疎化、耕作放棄地の増加などの                                                                     Ⅲ
                                                                                                                                                                                                                                            片山鉄建 精神 の
                                               これに続き、当社は「H ルーフ」を固定するタイトフレームの生産                                                         理由で人間の居住地域と獣の生息地との境界が曖昧になっているこ
                                             を中国に移管し、コストダウンを図るとともに、同年、「H ルーフ」                                                          とのほかに、暖冬や降雪量の減少などの気候の変化も、鳥獣が増え
                                             に500タイプの商品を新しく導入した。これには、 450・600タイプ                                                       る原因と考えられている。このような事態を改善するため、わが国

                                             といった種類があり、特に東北では意匠性やスペック性だけでなく、                                                           では2007 (平成19) 年12月に鳥獣被害防止特措法が成立した。
                                             負圧強度があるという理由で JA(農業協同組合) の施設に採用され                                                           当社もまた、 2000年頃から鳥獣被害に着目し、役所機関・農業従                                                                  Ⅳ
                                             て好評を博した。その後、「H ルーフ」が株式会社稲葉製作所のイナ                                                          事者・農家などに協力してもらい、実践的テストを繰り返しながら、                                                                      近年 の 片山鉄建
                                             バ物置に採用され、広く普及し始めた。                                                                        試行錯誤したのちに2003年、獣害防止金網「ジンク・ウェルドメッ

                                                                                                                                       シュ」の販売を開始した。「ジンク・ウェルドメッシュ」の金網は、
                                                                                                                                       亜鉛の特性 (犠牲防食性) を活かし、亜鉛メッキ鉄線を溶接したもの
                                                                                                                                       で、材料に厚メッキ (230g/㎡~ 250g/㎡) 針金を採用したため、耐候

                                                                                                                                       性が高く錆びにくい。すなわち、野外に張ったまま放置しても15年                                                                     第
                                                                                                                                       程度は問題なく使用できるのに加え、シンプルな部材構成となって                                                                      2
                                                                                                                                                                                                                                           章
                                                                                                                                       おり、誰にでもわかりやすい施工性になっている。また、施工場所に
                                                                                                                                                                                                                                           ズ と グ ム 環境 バ リ ロ ー
                                                                                                                                       ついて、平坦地だけでなく、山間地の傾斜地での施工が多いことと、

                                                                                                                                       本体の高さとして最大2m ということもあり、施工の際、高所仕事
                                                                                                                                       になり、危険を伴うことがあるが、ジンク・ウェルドメッシュは、メッ

           H ルーフ                                           H ルーフ施工例(有田物産株式会社 赤坂工場)                                                     シュ及びパイプについて、上下2段方式を採用しており、現場での                                 獣害防止金網「ジンク・ウェルドメッシュ」
                                                                                                                                                                                                                                           「
                                                                                                                                                                                                                                           時代


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