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2001 2016

     沿革編                                                                                                                                                                                                                                   沿革編
                                             elZinc の輸入                                                                                など各種金属屋根・壁の成型加工を中心に、コイルの在庫販売も行っ
                                                                                                                                       ている。数年間は苦しい時代が続いたが、近年は利益が出るように

                                               かつて当社の利益を支えていた「サビナシルーフ」は、三井金属鉱                                                          なり、今後が期待されているところである。
                                             業がフランスのメーカーから輸入した「UMZinc(ユーエムジンク) 」

                                             という亜鉛板を原料として、表面に酸化被膜を形成して作り上げた                                                            国際的な CSR 活動
                                             製品であった。しかし亜鉛の市況が高騰するにつれて価格競争力を
                                             失い、メーカーの採算も大幅に悪化した。                                                                         自然災害の後に生じる復旧・復興需要は当社のビジネスに利益を
                                               その後、サビナシルーフは、通常のカラー鉄板と比較して8倍もの                                                          もたらす場合が多いが、辛い思いをされている被災者の方々に寄り                                                                      CHRONICLE

                                             価格となったため、 2007 (平成19) 年12月に生産を終了し、当社の                                                     添うことなく、ただそれを享受するわけにはいかない。隆之社長の
                                             SP チームも解散を余儀なくされた。サビナシルーフを前面に押し                                                           そのような考えのもとに、当社では国内外の災害に対してささやか
     CHRONICLE
                                             出してきた当社には本物へのこだわりがあったため、「UMZinc」                                                          ながら被災者の支援を行ってきた。                                                                                    Ⅰ
                                                                                                                                                                                                                                            片山栄 そ 一 と の 時代
                                             を独自に輸入すべく交渉を重ねたが、輸入を断念する結果となった。                                                             国内においては以前より義援金などを供出したこともあったが、
          「elZinc」施工例                          2011年になってスペインのメーカー、オーストリアーナ・デゥ・                                                         国外で最初の例となったのが、 2013 (平成25) 年11月、フィリピン
                                             ラミナドス社から当社に、「UMZinc」の同等品である「elZinc(エ                                                      中部に上陸した超大型の台風30号による被害への支援であった。
                                             ルジンク) 」の売り込みがあった。交渉の末、価格面においても合意                                                          その被害は、フィリピンで死者6,000人以上、行方不明者1,700人

                                             を見たため、当社がメーカーとして規格を指定する前提で「elZinc」                                                        以上、被災者数1,600万人以上であった。                                                                               Ⅱ
                                                                                                                                                                                                                                            大阪 か 本全国 日 へ ら
                                             の輸入を決めた。                                                                                    2011年の東日本大震災では、世界各国から日本へ温かい援助の
                                               こうして誕生した新製品は、鉄や水との接触を避けるため裏面塗                                                           手が差し伸べられた。それに対して、日本人はどんなことができる

                                             装を厚くし、飛び火試験認定、耐火30分認定も取得。強さ・美しさ・                                                          か。隆之社長は自ら2014年2月にフィリピンの被災地を訪れ、住む

          「elZinc」カタログ                       経済性に優れたものとなった。                                                                            家もなく暮らしている人々がたくさんいることをその目で直接確か
                                                                                                                                       め、帰国後に関西の線材製品業界に働きかけて各社の供出を募り、                                                                      Ⅲ
                                                                                                                                                                                                                                            片山鉄建 の 精神
                                             松江加工センターの設置                                                                               20Ft(フィート) コンテナー分の釘や針金などの義援品をフィリピ
                                                                                                                                       ンのレイテ島に寄贈した。
                                               2012 (平成24) 年5月、当社は大阪大栄機械と共同で島根県松江市                                                       その後も、 2015年4月に発生し8,500人以上の死者を出した

                                             東長江町に松江加工センターを設置した。同加工センターは敷地面                                                            ネパール地震、同年7月中旬から降り続いた雨により8月時点で
                                             積3,000㎡に660㎡の工場、倉庫、成型機とベンダー、裏貼り機を含                                                        100人超の死者と約30万世帯の避難者を出したミャンマー洪水、                                                                     Ⅳ
                                             めて全11基の加工設備を配し、当初は駐在員を含んだ4名が業務に                                                           2016年4月の熊本地震、 2018年2月の台湾・花蓮地震、同年7                                                                    近年 片山鉄建 の
                                             あたった。                                                                                     月の西日本豪雨被災にそれぞれ義援金を送っている。

                                               松江加工センターの設置は、本来、当社が東京営業所に加工機を
                                             設置した際に協力を求めた大阪大栄機械が単独で計画していたもの                                                           「塗装 JFE443CT」の開発
                                             であった。

                                               一方、当社は大阪営業所の所管として山陰地区の攻略を進めてい                                                             2014 (平成26) 年、当社は JFE スチールの高純度フェライト系ス                                                             第
                                             たが、ライバル鋼板メーカーの勢力が強く、切り崩しが課題となっ                                                            テンレス鋼板を使用した「塗装 JFE443CT」をパーフェクトルーフ                                                                  2
                                                                                                                                                                                                                                           章
                                             ていた。そこで、大阪大栄機械の計画に参加して地元対応の強化を                                                            の材料として検討し始めた。 JFE スチールと共同開発し、千葉県市
                                                                                                                                                                                                                                           ズ ム リ グ と 環境 ロ ー バ
                                             図ることにした。島根県には成型機を保有しているお客様が少ない                                                            川市のアズマプレコート株式会社で塗膜の密着試験がクリアできた

                                             ため、多彩な加工機を設置した拠点を設けることで、付加価値を高                                                            こともあり、屋根・壁の分野にも使用できる材料として、 JFE スチー
           松江加工センター
                                             めることができると考えたのである。                                                                         ルと共同開発し販売を開始。パーフェクトルーフなどのオンリーワ
                                               松江加工センターでは、非住宅・住宅向けの嵌合式、ハゼ式、角波                                                          ン商品と組み合わせて市場開拓を進めることとなった。                                      鉄鋼新聞(2014 年 12 月 9 日)より
                                                                                                                                                                                                                                           「
                                                                                                                                                                                                                                           時代


        178  ◆  ◆  ◆                                                                                                                                                                         THE 100 YEAR HISTORY OF E.KATAYAMA & CO., LTD.   ˗  ˗  ˗  179
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