Page 46 - 00_片山鉄建様_表紙
P. 46

1953 1960

     沿革編                                                                                                                                                                                                                                   沿革編
                                                                                                                                       15秒スポット CM も出した。広告には茂自身が考案した「ママのデ
                                                                                                                                       ザイン、パパの日曜大工」というキャッチフレーズが踊り、見る者の

                                                                                                                                       購買意欲に訴えた。
                                                                                                                                         これと同時に百貨店の材料物売り場での商品展開を目指して働き

                                                                                                                                       かけを行ったが、当初はどこの百貨店にも断られた。金属タイルの
                                                                                                                                       角で購入者が怪我をしたり衣類が破れる恐れのあることが、その主
                                                                                                                                       な理由であった。そこで段ボールを曲げてカバーする緩衝材を製作
                                                                                                                                       し、金属タイルの角に取り付けるようにすると、当時最も有名であっ                                                                     CHRONICLE

                                                                                                                                       た日本橋三越がまず取り上げてくれた。三越が取り組んだと聞くと、
                                                                                                                                       複数の百貨店で取り扱ってもらえるようになった。そのディスプレ
     CHRONICLE
                                                                                                                                       イ用として当社では6、 7段の木製置き台を製作し、約60 ~ 70枚ほ                                                                 Ⅰ
                                                                                                                                                                                                                                            片山栄 一 の 時代 と そ
                                                                                                                                       どの金属タイルを金物店の店頭で展示販売した。これによって買い
                                                                                                                                       手の需要が広がり、トータルで毎年よく売れるようになっていった。


                                                                                                                                       東京扇会、大阪扇会の結成
                                                                                                                                                                                                                                           Ⅱ
                                                                                                                                                                                                                                            大阪 か ら へ 本全国 日
                                                                                                                                         東京出張所の熱心な取り組みが功を奏して、金属タイルは東京を
                                                                                                                                       中心に大きな反響を呼んだ。東京出張所では全サイズの型・色を入



                                                                                                                                                                                                                              E.K
                                                                                                                                                     15      亜鉛鉄板の歴史                                                                       Ⅲ
                                                                                                                                         COLUMN-                                          文=片山 茂                                            片山鉄建 精神 の


                                                                                                                                               亜鉛鉄板の歴史は、月星印と赤鳩印から始                       鍍金を経営していた。その東京亜鉛鍍金を川

                                                                                                                                              まっている。                                     崎製鉄が子会社とし、原板鉄板納入を、富士製
                                                                                                                                                                                         鉄から営業をかけていく。東京亜鉛鍍金を川
                                                                                                                                             ・ 月星は大阪で、岩井商店(後の岩井産業)の                      崎製鉄が直接傘下に入れたことは、鉄の業界                              Ⅳ
                                                                                                                                               販売でスタート                                   では大きな出来事であり、片山東京の大きな                               近年 片山鉄建 の
                                                                                                                                             ・ 赤鳩は東京で、森岡商店(後の森岡興業)の                      力となっていくチャンスでもあった。
                                                                                                                                               販売でスタート
                                                                                                                                               月星は、地方の力ある大手問屋に日本鉄板
                                                                                                                                              が直売開始。赤鳩は、野崎栄蔵商店・森岡商
                                                                                                                                              店が中心に地方販売。東京片山が取り扱うよ

                                                                                                                                              うになった。                                                                                       第
                                                                                                                                                                                                                                           2
                                                                                                                                               あらゆる物産を扱う大手商社であるが、国                                                                         章
                                                                                                                                              内販売の鉄鋼の板には弱く、強力に力をつけ                                                                         全国 に 拠点 く 築 を
                                                                                                                                              るため、古くからの東日本の大門や森岡商店
                                                                                                                                              を吸収合併した。
                                                                                                                                               その森岡商店は、スタート時には東京亜鉛                       月星印の製品を扱う金物店

           昭和 30 年代の八丁堀(資料提供:長谷川寛)




        088  ◆  ◆  ◆                                                                                                                                                                         THE 100 YEAR HISTORY OF E.KATAYAMA & CO., LTD.   ˗  ˗  ˗  089
   41   42   43   44   45   46   47   48   49   50   51