Page 61 - 00_片山鉄建様_表紙
P. 61

1969 1978

     沿革編                                                                                                                                                                                                                                   沿革編




                                                                                                                                                                                                                              E.K
                         20
             COLUMN-             経営理念、経営の基本方針、社是、社訓


                   1968(昭和43)年1月20日、当社は「株式                     経営方針も翌年に若干の修正が加えられ
                                    つ
                 会社片山商店の経営に就いて」を発表し、経営                       た。修正後は「時代の要求を満たす」という要                                                            ●社訓
                 理念、経営の基本方針、社是、社訓を定めた。                       素が加えられ、「三健主義」は削除されて、木
                 その後、時代とともに文言が変わった部分も                        下藤吉郎、すなわち豊臣秀吉の「日本一の草履                                                            仕事10則                                      責任3ケ条                                             CHRONICLE
                 あるが、発表当時の原文は以下のとおりであ                        取りになってやろう」という決意が加えられ
                                                                                 ま もの
                 る。                                          た。それは超日本一の「真物のプロ」になると                                                            1.  仕事は自ら創るべきで与えらるべきでな                     1.  命令、復命、連絡、報告は、その結果を確認
     CHRONICLE
                                                             いう決意である。当社社員にも、お客様に寄                                                                い。                                          し、その結果を把握する迄は、これをなし                           Ⅰ
                                                                                                                                                                                                                                            片山栄 そ と 一 時代 の
                 ●経営理念                                       り添って超日本一の「真物のプロ」となる決意                                                            2.  仕事とは先手先手と働きかけていくこと                         た者の責任である。その限度内における
                                                             が求められている。このほか、変更の際の説                                                                で、受身でやるものではない。                              責任は断じて回避出来ない。
                 片山商店の繁栄=社員の幸福=社会への奉仕                        明には「手習いは坂に車を押すが如し。油断を                                                            3.  大きな仕事と取り組め、小さな仕事は己                     2.  一を聞いて十を知りこれを行う英知と才
                                                             すれば後に戻るぞ」との格言が引用されてい                                                                を小さくする。                                     能が無いならば、一を聞いて一を完全に

                   この経営理念は翌1969年の社名変更に                       る。                                                                               4.  難しい仕事を狙え、これを成し遂げる所                         行う注意力と責任感を持たねばならぬ。                            Ⅱ
                 あたり、「独立自尊の精神」と変更されてい                                                                                                            に進歩がある。                                     一を聞いて十を誤るが如き者は百害あっ                             大阪 ら 日 本全国 へ か
                 る。「独立自尊の精神」は福沢諭吉の言葉で、                       ●社是                                                                              5.  取り組んだら放すな、殺されても放すな、                        て一利ない。まさに組織活動の癌である。
                   ひ
                     と
                 「他人に迷惑をかけない、更に他人の為世の為                                                                                                           目的完遂迄は……。                                   削減せらるべきである。
                 に尽くす」ことが肝要であり、そこから「感謝                         創意工夫 努力 熱                                                                      6.  周囲を引きずり廻せ、引きずるのと引き                     3.  我々にとっては形式的な責任論はもはや
                 の念」「互譲の精神」が生まれると説明されて                         信頼 自省 独立 和                                                                        ずられるのとでは永い間に天地のひらき                          一片の価値もない。我々の仕事は突けば

                 いる。                                                                                                                             が出来る。                                       血を噴くのだ。我々はその日その日に生                            Ⅲ
                                                                                                                                                                                                                                            片山鉄建 の 精神
                                                               常に殻を破って前進すべし                                                                   7.  計画を持て、長期の計画を持っておけば                         命をかけている。
                 ●経営の基本方針                                       常識の殻の中に居て前進はない                                                                   忍耐と工夫とそして正しい努力と希望が                          片山艦隊各員は常にベストを尽くせ。
                                                               常に問題意識を持つべし                                                                       生まれる。
                 •  片山商店は、吾国鉄鋼業界の流通部門を担                         これでよいと思った時には既に後退している                                                          8.  自信を持て、自信がないから君の仕事に                     5禁「おいあくま」
                    当する超日本一の問屋たるべく努力する。                                                                                                          は迫力も粘りもそして厚味すらがない。                                                                        Ⅳ
                 •  片山商店は常に御得意先へのサービス向上                        翌年の修正では、最初の2行を                                                                 9.  頭は常に全回転八方に気を配って一分の                       おこるな                                             近年 の 片山鉄建

                    をはかり、適正利潤を確保し、御得意先と                     「信頼と和こそ片山鉄建そのものである」                                                                  スキもあってはならぬ。サービスはその                        いばるな
                    共に手を携えて共存共栄の道を歩む。                       「すべての活動の根本は努力と熱意である」                                                                 様なものだ。                                    あせるな
                 •  片山商店は全社員の成長を期待し幸福を尊                     「創意工夫により時代の要求を満たせ」                                                                10. 摩擦を恐れるな。摩擦は進歩の母、責任の                      くさるな
                    重する。社員一人一人の成長は集約されて                        とし、後半は簡潔に                                                                         肥料だ。でないと君は卑屈未練になる。                        まけるな
                    片山商店の成長となり、社員一人一人の幸                     「常に殻を破って前進すべし」
                    福はとりも直さず片山商店の幸福となる。                     「常に問題意識を持つべし」                                                                                                                  以上の社訓に関しては、大きな変更は見ら                             第
                    然して成長と幸福には三健主義を唱う。                         とした。その結果、全体で5つの文言で構成                                                                                                      れなかった。                                            2 章
                                身体の健康                        されることとなった。                                                                                                                                                                    「「
                                精神の健康                                                                                                                                                                                                      鉄建

                                経済の健康
                                                                                                                                                                                                                                           「
                 •  片山商店は斯くして広く社会に奉仕する。                                                                                                                                                                                                    挑戦







        118  ◆  ◆  ◆                                                                                                                                                                         THE 100 YEAR HISTORY OF E.KATAYAMA & CO., LTD.   ˗  ˗  ˗  119
   56   57   58   59   60   61   62   63   64   65   66