Page 81 - 00_片山鉄建様_表紙
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1990 2000

     沿革編                                                                                                                                                                                                                                   沿革編
                                              「パルダンルーフ」は断熱材を一体成型することで省エネ・省力化                                                           中国営業所の開設
                                             を可能にするもので、裏面結露の防止や雨音の消音にも効果があっ

                                             た。                                                                                          1993 (平成5) 年6月、当社は岡山市新保に中国営業所を開設し
                                              「ダンダンルーフ」「サンサンルーフ」は W 折構造のハゼによる                                                          た。設立の理由として、次の3点を挙げることができる。

                                             ダイレクト・ジョイント工法で、施工の迅速化や雨水の排除にも効                                                              まず、近隣に川鉄鋼板玉島工場があり、仕入れに関する連絡業務
                                             果があった。                                                                                    などに地の利を活かすことができた。
                                               このほか、「サビナシルーフ・ウェザー」などを使用した工法とし                                                            次に、玉島工場の地元であるにも関わらずライバル他社の勢力が
                                             て、元来社寺仏閣などに使用されてきた本ハゼ一文字葺きである「一                                                           強く、川鉄製品は苦戦していた。そこで、営業所の設置により販売力
                                                                                                       しろ                                                                                                                                  CHRONICLE
                                             文字」や、横ハゼ・縦ハゼを四方に折り曲げた一文字葺きである「銀                                                           の強化を図った。                                                       中国営業所
                                             みね
                                             峰」などもあった。                                                                                   最後に、後に第4代社長となる片山隆之の入社である。隆之は茂
     CHRONICLE
                                               こうして、当社は材質、工法、機能性、色調に加えて作業の簡便性                                                          社長の次男で、中央大学法学部を卒業後、三井物産に入社。外国為                                                                      Ⅰ
                                                                                                                                                                                                                                            片山栄 時代 一 そ の と
                                             にも配慮した施工体制を整え、宮城県の仙台市水道記念館や柴田町                                                            替や精密化学関連 (農薬) の業務に携わった後、 1993年8月に当社に
                                            「しばたの郷土館」資料展示館・思源閣、茨城県の水戸市立西部図書                                                            入った。隆之が配属された中国営業所に勤務する社員は4名で、小
                                             館、東京都の JRA 競馬博物館、石川県の白山恐竜パーク白峰、長崎                                                         さな事務所であるだけに一人でいろいろな仕事をこなす必要があっ
                                             県の小ヶ倉斎苑など、さまざまな形をした建物の建設に関わった。                                                            たため、仕事を早く覚えるには都合がよかった。 1996年には中国営

                                             丸棒の販売を中心に業務を展開してきた福岡営業所もパーフェクト                                                                                                                                                                Ⅱ
                                                                                                                                                                                                                                            大阪 ら か へ 本全国 日
                                             ルーフ、サビナシルーフなどの屋根工事や建材商品の販売に注力し、                                                                                                                                                  E.K
                                             福岡ドーム (現・ヤフオクドーム) の建設の際の耐火野地板施工、下葺                                                          COLUMN-     30      災害による被害を受けて

                                             防水材 (ガムスター) 貼り工事受注などの実績を重ねていく。
                                               資材をめぐる仕事の流れが見えやすい業務であるため、教育的な                                                                   1990年代には、当社関連の施設に、災害に                     などが被害を受けている。
                                             見地から、社内では SP チームに対して優先的に新入社員を配置す                                                                 よる被害が数回発生した。                                 1995年1月17日、約6,400名の死者・行                         Ⅲ
                                                                                                                                                                                                                                            片山鉄建 の 精神
                                             るといった人事も行われた。                                                                                     1990(平成2)年9月の豪雨により、仙台                     方不明者を出した阪神・淡路大震災が発生し
                                                                                                                                              の扇町工業団地一帯で水害が起き、仙台営業                       た。当日は大阪本社に4、5名の社員が出勤し
                                                                                                                                              所倉庫が浸水被害を受けた。排水施設が未整                       たが、安否を確認する電話が関西地区に殺到
                                                                                                                                              備であったことにより起こった被害であるた                       して回線がパンクしており、仕事にならない
                                                                                                                                              め、仙台市に対し、集団で訴訟を起こした。翌                      状態であった。社員宅の被害も甚大で、芦屋                              Ⅳ
                                                                                                                                              1991年9月には、台風19号により、福岡、防                    の栄三会長宅も2階部分が隣家に崩れ落ち、                               近年 片山鉄建 の
                                                                                                                                              府営業所が被害を受けた。また、1993年1月                     全壊認定がなされるほどの激しい被害を受け

                                                                                                                                              には、釧路沖地震により釧路営業所の社員宅                       た。






                                                                                                                                                                                                                                           第
                                                                                                                                                                                                                                           1
                                                                                                                                                                                                                                           章
                                                                                                                                                                                                                                           ル バ 経済 ブ



                                                                                                                                                                                                                                           「
                                                                                                                                             仙台の豪雨で被災した扇町工業団地                                                                              崩壊
           水戸市立西部図書館(茨城県)                                  JRA 競馬博物館(東京都)




        158  ◆  ◆  ◆                                                                                                                                                                         THE 100 YEAR HISTORY OF E.KATAYAMA & CO., LTD.   ˗  ˗  ˗  159
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